第13説 虎耳(トラガミ)探し

 翌日の学校終わりの放課後、虎耳とらがみへ聞きに行こうとした。しかし、掃除そうじ終わりの教室に虎耳の姿は見当たらなかった。先に帰ったのかと思い虎耳の靴箱くつばこを見てみると、虎耳の下靴の上に紙飛行機が置いてあった。誰かの悪戯いたずらかと思い、その紙飛行機を退けようとした。すると突然、その紙飛行機が動き始めた。尻餅をついて驚いてしまった自分だが、その紙飛行機は徐々じょじょに靴箱の上を旋回せんかいして、ついには自らの意志であるかのごとく廊下を飛び始めた。無風の中、悠々ゆうゆうと廊下を進んで行く。自分は、その紙飛行機を追って行った。新校舎内の廊下や各階段をぐるぐるとめぐり、古井戸前にある木製の渡り廊下を飛び抜けた紙飛行機がほどなくして辿り着いた先は、旧校舎の特別練1Fにある図書室前だった…。

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