第485話 大阪市中央区難波千日前の賄いルーシー+醤油漬け背脂
「おお、部長に就任するのか」
かつて原作を読んでいてそんな感慨があり、そこからラストまでの展開が好きだった作品の吹奏楽部アニメの続きが、上映されている。
ならば、観に行かねばなるまいて。
仕事を終えて余裕をもって観れる時間の上映回を予約してあるので安心だ。
難波の地に降り立ち、劇場へ向かう前に。
「腹が、減った」
ということで、腹拵えからである。
せっかくだから、限定をもう1回ぐらいは喰っておこう。
高島屋の南側から出て道路を渡り、道具屋筋を抜けて次の道を南へ。目的の店はそこにある。
開店直前で先客の後ろについて『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』を起動して、イベント周回をして待つ。現在は夏の大型イベント中。最初は五乙女ということでロザリー50位以内を目標にしつつ、余裕があったので他の乙女も500位以内を目指そうかと欲を出してしまっているところだ。
各乙女を少しずつ回っていると開店時間になり店内へ。
「ここは、ルーシーで、トッピングは」
チーズも魅力的だが、前にチーズはトッピングしている。ならば。
「この醤油漬け背脂、行ってみるか」
ということで食券を確保し、セルフのコップを持って席へ。
「ニンニク入れますか」
「入れてください」
ということで、注文は通り、後は待つばかり。
当然、イベント周回をして待つ。50位を少し下回っていたが、周回して何とか50位以内に入ったあたりで盛り付けが始まっていた。
頃合いなのでゴ魔乙を終了して待つことしばし。注文の品がやってくる。
「なるほど、存在感がパない脂だ」
麺の上に野菜が盛られ、ブロック状の豚と、通常のチャーシュー。そしてニンニク、カイワレは基本だが、野菜の上部に茶色く艶やかなものが乗っている。これが醤油漬け背脂か。
「いただきます」
基本は汁なし=まぜそばなので軽く混ぜて、一口。
「ああ、なんというか、すじ煮?」
甘辛こってりな背脂の主張が凄い。ひと味もふた味も違う。それでいて、混ぜて出てくるタレの味わい。ドリンクバーで偶然できる旨いジュース的な「タレ、全部混ぜてみました」がベースの旨さも負けていない。
豚、ニンニクもほどよく交ざり、渾然一体というのが似合う味わいだ。そこに加わる背脂の甘辛。ジャンク・オブ・ジャンクな美味しさに溢れているな。
麺を野菜を豚を齧り半分ほど喰らったところで。
「味変用タマネギの出番だ」
小皿で出されているタマネギを投入すれば、酸味と玉ねぎの辛味が加わり、一気に味わいが変わる。
そこからは、薬味の出番だ。
胡椒を懸けて味を際立たせ、一味で辛味をプラス。
まずはそれでいただき。
終盤に差し掛かれば、酸味を足すべく酢を回し入れ。
さらに、タバスコをダバッと。
常に新鮮な味わいを加えながら、勢いよく喰らっていけば、あっという間に麺はなくなってしまう。
甘辛こってりからすっぱさっぱりへと至る食の体験。
残ったタレをしばし追いかけ。
最後に水を一杯飲んで口内をリセットし。
「ごちそうさん」
食器を付け台にあげて店を後にする。
「まだ時間はあるし、少し歩くか」
オタロードへと、足を向ける。
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