第373話 大阪市浪速区難波中の味噌らーめん
「1日だな」
最近は中々行けていなかったが、映画の日である。
ようやく劇場の営業が平常運転に戻ってきた昨今。せっかくなので観に行くとしよう。
かくして仕事を終えた私は難波駅に降り立ち、そのままオタロードにやってきていた。
映画まで少し時間がある、先に飯を済ませるのである。
「よし、18時前だ」
ソフマップなんば店ザウルス前の麺屋に辿り着きそのままノーマルのらーめんの食券を購入する。
案内された席で食券を出し、「味噌で、麺固め、脂は普通で」とオーダーを通し、「麺大盛りはどうしますか?」と聞かれたら「大盛りで」と返し、すぐに入り口の保温ジャーからご飯をよそう。ご飯と麺大盛り18時まではサービスなのだ。無駄なく進めようじゃないか。
支度が整えば、後は待つばかり。『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』を起動する。現在は、カトレア&リリーメイン。俄然やる気がありつつ、それでも無理なく進めているところだ。
とはいえ、おでかけを仕込んだりしていると、既に麺上げの気配。ゴ魔乙を終了すれば、予想通りすぐに麺がやってきた。
「いい色だ」
白に近い薄茶色のスープに、炙りチャーシューとうずら煮玉子と刻みネギ、丼の縁には大きな海苔が三枚。ほうれん草の緑がいいアクセントだ。
「いただきます」
スープを一口啜る。ガツンとくる塩気と豚の旨みと味噌のまろやかさ。思わずご飯をたっぷり頬張ってしまう。
「と、麺だ麺だ」
続いて麺で追い駆ける。早速、炭水化物が麻薬のように脳にガツガツ多幸感をぶち込んできやがる。そのまま、海苔をスープにつけてご飯を包む贅沢をし、麺を啜り、ご飯を喰らい。
ああ、米も麺も進む味過ぎる。
幸せを感じながら、ガツガツ喰らい。
「そろそろ、頃合いか」
席に備え付けのおろしニンニクをひと掬い放り込む。
「ああ、生きてるなぁ」
ニンニクの刺激的な香りが加わると、更に食欲が加速する。
太く固い麺と海苔で巻いた米を一緒くたに喰らい、炭水化物に酔いしれる。
いい気分だ。炭水化物は酔える。
何気にご飯も大盛り。麺も大盛り。
存分にフィーバーできるというものだ。
勢いよく、食らい続ける。
ときおり、香ばしい豚の風味や、パクリと居てしまうウズラを味わったりしつつ、喰らう。ほうれん草は箸休めだ。
喰らいに喰らい。
「終わり、か」
と、満腹ではあるが。
最後に、残ったスープもれんげで平らげる。
店員がそくざにまくり券を出してくれた。
完飲完食である。
最後に水を一杯飲んで余韻に浸り。
「ごちそうさん」
店を後にする。
「さて、劇場へ向かうか」
なんばパークス方面へと、脚を向ける。
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