第285話 大阪市浪速区難波中の賄い味噌らーめん(麺・野菜・ニンニク大盛)

「ガッツリ、喰いたい……」


 ここのところ、少々節制していたのだが、それが暑さと相まって体力が落ちている。こういうときは、食で回復させるべきだ。


 そうなれば、


「気になってたの、喰いに行くか」


 かくして、仕事帰りに御堂筋線なんば駅に降り立ち、南海方面改札を出て、なんばCITYの途中で左折。無印のビルを斜向かいに見る出口から出て右折すれば、なんさん通りに出る。その一つ南側の道へと入る。


 しばらく進んでメロンブックスで新刊を確保。『ぼくたちは勉強ができない』の新刊は理珠のターンであるからして、確保は必須なのである。


 その先に、目的の店はある。


 まだ早めの時間のため、先客はいない。店頭の看板で目的のメニューを確認しつつ、食券機で『賄い味噌らーめん』を購入。醤油と辛ニラもあるが、味噌がおすすめらしいので従ってみた。


 店内に入り、適当なカウンター席に座って食券を出す。


 麺と野菜の大盛について聞かれるので、全て大盛と答える。


 つづいてニンニクの有無を聞かれたので、そちらも大盛と答える。


 そうして、注文を通せば後は待つばかり。


 サービスのキムチを確保して摘まみつつ、『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』を起動する。現在は、五乙女の大型イベント中。リリーの出番ではないため、ナイトプールでロザリーのポイントを稼いでいる最中だが、出てくるまでの時間が不明瞭だ。


 おでかけを仕込んだりの調整をしていると、注文の品がやってきた。


「ふむ、こういう感じか」


 丼にこんもり盛られたもやし。その上には刻みネギもある。麓には、挽肉とたっぷりの刻みニンニク。マシマシという感じではない。普通に大盛だな。


「いただきます」


 まずは、スープを頂けば。


「なるほど……こってりながら、大分雰囲気は違うな」


 鶏豚骨のため、この手の系統にしてはあっさり目か。少し混ざってきた挽肉も鶏っぽいしな。


 だが、これはこれで悪くないぞ。


 野菜がそこまでの量でないお陰で麺への導線もある。さっさと引っ張り出せば、太くて固い、定番の麺。啜れば、味噌味を纏ってよい塩梅。


 しばらく楽しんだところで。


「ニンニク、いくか」


 どうにも量が結構あったので、元の味を楽しんでから混ぜることにしたのだ。


 小分けにしてスープに沈めるようにして混ぜ込めば、じっとりと思ったよりも馴染んだニンニク風味。味噌とニンニクの相性か。


 また、もやしだけでなく、葱があるのも変化があっていい。


 量的には少なめ(※比較対象的に)で、味もあっさりしている(※比較対象的に)が、これはこれで違った味わいでいい。


 後は、一味と胡椒で刺激を足せば、いいだろう。


 思ったよりもスルスルと味わい。


 気がつけば、もうスープが残るばかり。


 早いが、そういうものだ。


 ガッツリとパワーは補充できただろう。


 少しレンゲでスープを追い駆け。


 最後に水を一杯飲んで一息入れ。


「ごちそうさん」


 店を後にする。


「さて、少し歩くか」


 オタロード方面へ、足を向ける。


 

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