エッセイ「続じぃちゃんのお榊」
@19643812
第1話
エッセイ「続じぃちゃんのお榊」
清水太郎
子供の頃には、山へ行くと真榊が採れたのです。今は何処にもないでしょうね、踏み跡の付いた道は消えていると思います。鉈をもっているだけで、通報される時代なのです。
「お榊、西寺方のたいらやにもあるけれど」と、洋子さんが言いました。
パートが終わった時に、迎えに行きながら確認しました。お店の入り口に、ありました。透明のセロファンに包まれています、一対ではなく半分なのです。160円に消費税です、これなら買い求めやすいです。ポリバケツに入れて、5個以上あります。葉も青々として元気そうでした、これからは此処で買おうかと思います。宮の前と長房の花屋さんで買っていたのすが、8月からは此処のお店にしてみようと思います。
お榊を供えるのは、私の部屋に立派な神棚があるからです。宝生寺団地の家を売って、娘の家に住むことになったからです。娘の家の庭は、日当たりが良く、芝生がありました。私たちの部屋は、その部分に増築されたのです。地元の工務店にしたのは、中学の同級生がその工務店のオーナーだからでした。娘夫婦は土地を買い、其の土地へ建売住宅メーカーに建築を頼んだのです。
家を売っても450万円の借金をしなければなりませんでした、増築部分のお金は娘の連れ合いが、銀行から借りてくれました。私たちの年金から返すことにしたのです、私と妻は10年の死亡保険を掛けました。私たちと暮らすことで、娘たち家族に「災い」が起きないようにと、祈るためです。「3尺6寸5分」の旧尺と1枚板ではないのですが、30ミリの集成材の厚い板です。オーナーの息子さんが、社長なので良いようにと計らってくれました。
最初は、娘たちのお札を置き、其処へ収まる社を買い求めたのです。後は何もしないつもりでいましたが、お榊・お水・お米・お塩・お酒を供えるようにエスカレートして、日課になっています。八幡神社へは、妻をパートに送り届け帰りに参拝しています。月に何度か境内の掃除や、小さな石の社の掃除もしているのです。先祖と氏神様が、私の信仰の原点だからです。娘の連れ合いには感謝しています。今年の絵馬にも書き加えました、嬉しいことに、娘に3人目の孫が宿っています。欲が出てきました、「神さま、出来たらあと10年健康でいたいです」。3人の孫たちを貴方のお役に立てるようにしますと、柏手を打った後にお願いしています。清水太郎のTwitterのプロヒールには、日本共産党を支持していますと書き込んであります。変人ですかね?
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