管理長とα
そうだ、この新人だ。
私の悩みの種は。
夜というものをまるで分かっておらんのでは…?と思うような
とんちんかんなことばかり言いよるのだ。
せっかく夜研修を受けているというのに、夜というものに対してまるでなんの気持ちも持っていないかのような振る舞い。
遠くの方で星たちがスターキーパーに文句を言っているのが聞こえる。
どうやら花火がお気に召さないらしい。
「あー、α君?」
「なんですか?管理長」
「その、夜研修はどうかね?」
「楽しいです。今まで知らないことばかりだったから」
「そうか、してα君は夜についてどう思うのかね?」
「うーん、どうなんでしょう」
私は肩を落とした。
なぜなんだ…。
しかし、α君は穏やかにほほ笑みながら私にこういった。
「夜は僕が思っていたより単純だとは思うのですが、だからこそ複雑ってゆうか」
「ほう?」
「僕、早く夜作りに参加できるように頑張ります」
そう言ったα君の目は深い群青色をしていて、この子の将来を想わずにはいられなかった。
次回更新予定:2016年8月11日
月夜製作所のお話し Arisa @a_chat
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。月夜製作所のお話しの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます