通学路戦線

キアル

第1話 連絡

想像もつかないような出来事は、突如として起こるーー。


そう痛感したのは、

わずか1日前の事である。


その日、

小学生の僕は、保護者会に行った親の帰りを

待っていた。


「すぐ帰る。」


そう言って両親は休日の朝早くから支度をして家を出たのだが、

それっきりなんの連絡もない。

時計の針はもう夜10時を回っている。


僕の中で、ふといやな想像が頭をよぎった。

(もしかして・・。)


いや、まさかそんなはずがない。


もし両親の身に何かあれば、

家に連絡がくるはずだ。


きっと保護者会のあと保護者同士で集まりがあったんだろう。


そう考えることで気を紛らわせていた矢先、


RRRRRR!!

固定電話の着信音が大きく鳴り響いた。




僕の心臓はバクバクと鳴っている。

今にも破裂しそうな勢いだ。


(やっぱり二人になにかあったんじゃ・・・!?)


そんな悪魔の声を振りほどきながら、

僕は恐る恐る受話器を取った。


つづく





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

通学路戦線 キアル @kiaru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る