第40話 桶(オケ)

のどがカラカラなので、大量の水をゴクゴク飲んだ。

人工知能「はやふさ9」に火薬の製造準備について聞いてみた。


俺「それで火薬づくりの準備どうなってる?」

CPU「はい、準備完了しました。」

俺「向こうのモジュール6をだいぶ改造したのか?」

CPU「はい、まず外壁を修復して気密性を高めました。」

俺「おお、それは前からやってたよな。ついに出来たか。」

CPU「はい、そしてロボットアーム1本をモジュール6室内に入れました。」

俺「え? ロボットアーム外したの?」

CPU「はい、アーム1本を外して室内に再設置しました。」

俺「なるほど、室内作業にアームは必要だもんな。」

CPU「はい、アームはモジュール6の外に1本で中に1本です。」

俺「ふーん、それで桶(オケ)のような容器は?」

CPU「はい、トイレユニットの裏の”ウンウン”の保存タンクを使います。」

俺「お前まで”ウンウン”って言ってるのかよ。」

CPU「はい、みなさんが”ウンウン”言うものですから。」

俺「まあいいか、草と土も用意できた?」

CPU「はい、タタミと土壁を粉砕して準備しました。」

俺「さっそく室内のアームを使ったか。」

CPU「はい、ロボットアームがあれば人間の手作業は必要ありません。」

俺「もし必要になったら、また俺が乗り移って作業するぜ。」

CPU「いえ、必要ありません。」

俺「まーた、俺は仕事無しか。」

CPU「いえ。あなたには、こちらのモジュールで”尿”を作ってもらいます。」

俺「尿・・・、どんな仕事だよ。」

CPU「お水!、お水飲んで下さい!、すぐ水飲んで!」

俺「そんな急ぐわけないだろ!。火薬製造には数年間かかるんだぜ。」

CPU「ピポポポポ」

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