第三章 里見愛について

プロローグ 「伝統、格式、進歩主義の関係性について」

 我が眼は風でできている。

 我が智は水でできている。

 我が血は火でできている。

 我が肉は土でできている。


 我が意志は虚無でできている。


 我ら一切の情を持たず、

 我ら一切の夢を持たず、

 我ら一切を腕の内に許す。


 汝が傷は我の病で、

 汝が病は我の傷。


 風は土を撫で、穢れを見極めよ。

 水は火を抑え、穢れを清めよ。

 火は水を治め、穢れを集めよ。

 土は風に触れ、穢れを無に還せ。


『封神』の風見。

『継碧』の水鏡見。

『烈陣』の焔見。

『土護』の里見。

 我らは全てで一つ。


 我が名は統世(とうせ)

 仮初の胸を神楽と称するものなり。

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