3「いつかのどこか」

 夢

 醒めない夢

 幾度となく続く夢

 終わりを知らせない夢

 現実とは少し異なった夢

 私は血を抱いていた

 全てが血に濡れて

 私の目の前で彼女は死んでいた

 確認はしてないけれど、見ただけでわかる

 彼女は死んでいた

 私に微笑みながら

 彼女は死んでいた

 そして私は知る

 彼女は私を庇って死んだのだと

 庇ったから死んだのだと

 そのことに気がついて

 それでも私は動けなかった

 何がなんだかわからなくて

 私は泣きながら彼女を抱きしめていた

 彼女は死んでいた

 彼女が私に呟いた言葉

 私はその言葉を忘れない

 何があっても決して忘れない

 ごめんねと言った彼女の言葉を

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