第一章その12.自宅帰還

 ふと、自分達は辺りを見渡す。周りに倒れていた"もう一つの被害者"だった猫達は担当のホ班が早急に保護をした為、姿は見えなかった。一瞬、静寂に包まれた後、雅人叔父さんが口を開いた。

「今日は一先ひとまず、お家に帰った方が身の為だね」

 そう言って歩き出した雅人叔父さんに自分は狼の件をこれからどうするか尋ねようとしたが、先に音哉が雅人叔父さんを背に尋ねた。

「純太のお兄さんは狼の件をこれからどうしますか?」

 音哉の問いに雅人叔父さんは一旦、足を止めて自らの頭の後ろをでて考えながら答えた。

「今回の件ね。どうしようか…まあ、先ずはお面衆の人達の報告をあおいで、それから知り合いの刑事さんにでも相談するかな」

 音哉との話を聞いて、雅人叔父さんの知り合いに刑事さんが居たことは初耳だった。再び歩き出した雅人叔父さんを追って自分と音哉と神羽屋は小走りになった。

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『狐狼(コロウ)と式神使い。』 新庄直行 @Shin__Nao

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