第2話 彷徨う音

「これって、消えた音かな?」


亜弥が言った。多分そうなんだけど、まずなんでこんなことになったんだろ。


「こんなふうにあるってことはさ、他の音もどっかにあるんじゃね?」

「あー、確かにそうかも...。」


翔頭良いな...。なんでこうなったか考えるのは後にして、先に音を探しますか!


「じゃあ、探してみよっか!」

「うん、そうだね!」

「いこいこー!」


______



私達が最初に向かったのは、音楽室のすぐ隣の美術室。美術部のみんなは、いま外でスケッチをしているらしく、誰もいなかった。


「あっ、もしかしてこれ?」


探し始めて数分もたたないうちに、夢子が次の音を見つけた。こんなところに....というような場所にあった。まるで最初から知ってたような...?そんなわけないか!


「さっきから考えてたんだけどさ、これってなんの音?」


「あー、確かに。いまのところ2つ見つけたけど、なんの音かな?ていうか、どうやって戻したらいいの?」


「そんなの知るかよ。だいたい、なんで音が消えたのかもわかんねーし。」


それはそうなのだが、私もわからない。






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音を探して 栞奈 @Itha

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