第5話

 「これからどうしましょう?」

「自衛隊を可能な限り集結させる。その間タヤン文明人たちにはこの駐屯地の将校たちと作戦の立案をしてもらう。」

「自衛隊の戦力ではどうしようもないのでは?」

「奴の内部に潜入することが出来るなら、自衛隊が役に立てるのはその時だろう。会談の終盤、身体能力については彼らと大差ないことが確認できた。それと少し仮眠をとっておこう。こういう時こそ休めるときに休んでおくものだ」

「はあ…」

「君もだぞ」

「分かりました…」

佐田と小倉は三時間ほど仮眠をとった。

 午前5時。目を覚ました佐田はすぐに駐屯地指令の多田将樹と面会した。

「首尾はどうか?」

「作戦内容が決定しました。かの兵器は補給のため瓦礫を機体内に取り込み、内部にてそれを精製します。そこで、瓦礫に部隊を潜伏させ、瓦礫を取り込むタイミングで機体内部に潜入します」

「奴が瓦礫を取り込むタイミングを予測出来るのか?」

「かの兵器が未知の惑星にたどり着いた際には、その惑星から早いうちに物資を取り込むようです」

「早いうちとは具体的にはどの程度の期間だ?」

「一日以内だそうです。ただ地球のように文明を持った惑星を新たに発見したことはないようなので、今回いつごろ取り込むかは不明瞭です」

「はっきりしないな…」

「我々はもちろんですが、彼らにとっても他の惑星に存在する文明とは初めて接触するようですから無理もないでしょう。内部に潜入してからは、操縦システムを発見し、破壊します。詳しい内部構造が判明していないため、調査しつつの任務となります」

「今まで彼らも何度か同じような作戦をしてきたようだが、勝算はあるのか?」

「…こちらを」

(駐屯地の長)は佐田に折り畳まれた紙を渡した。佐田はそれを自分にしか見えないような角度で確認する。読み終えると、佐田は顔をしかめ、深く考え込んだ。

「ご決断を」

「憶測だけではな…」

「この作戦に失敗はありません。必ず事態は進展します」

言葉を交わすと、佐田は再び考え込む。それから一、二分後、佐田は懐から出したライターで紙を燃やした。

「この件は君の独断で進んだ。それでいいな?」

「分かりました」

佐田は部屋を後にし、多田と別れた。

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破壊兵器ヨミド @VRN

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