本作はデスゲーム物ですが、これまで見た事がない「デスゲームを主催する立場からの視点」の物語になっています。
主人公は、自らが勤務する会社の執行役員達の評価に怯え、気まぐれな上司に振り回され、トラブルの対処に頭を悩ませ、必死になって部下達を取り纏めながら仕事を頑張っていきます。その姿はこれまであったデスゲームの黒幕像とは明らかに異質であり、際立った存在感を示しています。そしてそのキャラクター性を存分に生かす為に、とても見事に物語が構成されている事も素晴らしいです。
そして主人公は非常に家族想いで人情味あふれる小市民で、穏やかで優しい、真面目な性格です。よくあるデスゲームの主催者にありがちな冷酷残忍な性格の持ち主とは対極の存在になります。非常に読者の視点と近い立場の存在なので、その一挙手一投足に非常に同情の念が湧く事でしょう。
唯一無二のありそうでなかった傑作です!
お薦めです!!