教科書に載せたい作品

※ネタバレ注意


物語の概要としては、マイナス思考の青年が、「祖父の死」をきっかけに自らの未来に希望を見いだすという物だった。

皮肉交じりの軽妙な言い回しは夏目漱石を思わせる物があるが、心に沁み、かつスッキリとした読後感は重松清を思わせる。

あえて羅列はしないが、所々のちょっとした文章が、非常に面白く、考えさせられるものだった。
とくにラストの一文は主人公の人格を良く表していたと思う。

また、濃密な表現描写がとても読みやすく散らされており、風景から匂いまで頭の中で難無く再現できた。


総評として、まず骨幹の物語が面白く、そこに肉付けされる文章がそれを引き立て、あっという間に駆け抜けることの出来た作品だった。とても勉強になりました、また新しい小説を書いて欲しいです