第20話 長編小説を書くということ【1】

 ハローみなさん。


 みなさんはもうお忘れだろう。


 「カクヨム」でダラダラと「わたくしどもはなぜ読まれもしない小説を書くのか。」などと言う駄文を書き続けたはいいが、いきなり中途半端にほっぽりだして、3ヶ月間も放置していたような男のことは。


 まあこの一連の文章はタイトルどおり、「読まれる」ことを想定していない。

 だから超いいかげんだ。

 わたし自身も、一体この文章がどこに行きつくのか、終わるまでにどこに寄り道するのかさっぱりわからない。


 わたしは小説を書くとき、いつもそうだ。

 まったくプランというものを立てない。

 ヒラメいたら、一気に書く。

 ある程度書き進み、描きたいことはだいたい書けた、と思った時点で、書くことに飽きてしまう。

 飽きれば、適当にオチをつけて筆を置く。


 というわけで、わたしがこれまでに書いた小説は短いものがほとんどだ。


 「カクヨム」さんにUPさせてもらっているものは、5,000字以内のものが中心となっている。というのも、そんな長い話に皆さんがつきあってくれるかどうか自信がないから。

 

 自サイト「西田三郎商店」に掲載している小説は、もう少し長い。

 とはいえ、10万字を越えるものはあまりない。

 

 これは、わたしの「テンションの持続力」の問題だと思う。

 つまり、どれだけ自分の物語に没入していられるか、ということ。

 あるいは、どれだけ自分の物語に飽きないか、ということ。

 もしくは、どれだけの長い時間、自分を信じられるか、ということ。


 いや、最後のはちょっとフレーズとして安いように思う。

 でも書いちゃったんだからしょうがない。残しておこう。


 

 もちろん例外もある。

 現在、カクヨムさんにて連載させてもらってる

「アンドロイドやないけど電気羊の夢でも見るか」は、

 なんと現段階で120万字に届きそうな勢いだが、まだ続きがある。


 ここまで長くなったのは何故か、といえば、思いつきで話を書き進めてきたからにほかならない。


 また、自サイト「西田三郎商店」に「童貞スーサイズ」という作品を連載しているが、こちらもクソ長い。文字数数えるのもイヤになるほど。


「妹の恋人」は、11万5千字くらいの作品だが、これも思いつきで話を進め、なんとか結末までこぎつけた。


 飽きっぽいわたしがなぜこんなにも長い作品を書いているのか、といえば、おそらくなんらかの大いなる勘違いか、あるいは電波のようなものが、そこまで長くなるまで「まだ書き終えとらんぞ~」と、わたしを止めてくれなかったからだ。


「さあ、これから『カラマゾフの兄弟』を越える(枚数の)小説を書くぜ!」


 なんて、誰も意気込んで小説を書き始めたりしないと思うのだが、どうだろうか。



 もちろん、プロの作家なら書く前にちゃんと構想するだろう。

 どれくらいのボリュームの本を出すのか事前にわかっていないと、印刷する紙の量も読めないので出版社も大変だろうから。


 まあ、『分厚い本を出す作家』と認識されて人気のある作家もいるので、そういう人は最初から『ボリューム感』のメリットを期待されているのかもしれない。

「先生! 次も分厚いので頼みますよ!」みたいな感じで。


 だが、プロの作家なのだから、いくら長くなってもいいが、その書くという仕事を決められた時間内になさねばならない。


 原稿料を前借りしていたので「期間内に書き上げないと訴える」と脅され、ドストエフスキーは我と我が身を呪いながら長い長い小説を書き続けた。身から出た錆とはいえ、その作家生活はかなりブラックだったろう。


 まあ極端な例を出したが、想像するにプロの作家にとって「長編小説を書く」という作業は、ぐぬぬぬと悩みながら1日5行書き、次の3日間は筆を放り出し、4日目には調子が出て20枚書く、みたいな我々がイメージしている「いかにも芸術家」的なものではないようだ。


 決められた期間内に、少なくとも文庫本一冊分くらい、300ページくらいの小説を書くためには、やはりしっかりとしたプランというものが必要なのだろう。


 何章の小説にするかにはじまって、この章ではこうこういうことが起こる、次の章では誰それがセックスしたり死んだり、その次の章では誰かが生き返ったり殺されたり……とまあ、そういうことを決めておかねばならない。


 ラストが決まってないなんてもってのほかだ!

 あとまあ、登場人物の数なども決めておいたほうがいいだろう。


 書き出す前にある程度、物語の設計図を作っておかねばならない。

 というか、書き出す前にある程度、物語が完成していなければならない。



 つまり、わたしがやっているようにダラダラと書いて「おお、長くなったなあ」と、アルバムでもめくるような気持ちで悦に入る書き方は、長編小説の書き方としては一番ダメダメなものだと思われる。


 じゃあ、どうすればよいのだろうか?


 と、ここまで書いてきて今日はもう疲れた、

 というわけで【2】につづく。

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