第2話 STEP
高校生の生活は大変だ
「かおり起きなさ〜い」
「お母さん起きたよ・・・」
「かおりご飯は?」
「今日は時間がないからいいや」
「かおり!」
「何よ」
「これあげる」
「何これ?」
「お守り」
「お守り?これが?」
渡されたのは髪を結ぶシュシュだった
「時間がないでしょ?お父さんが起きる前に行きなさい」
「わかった、行ってきます」
朝の通学路は気持ちがいい
「おはよう、かおり」
「おはよう、美月」
「今日から部活が本格スタート!!」
「何言ってるの部活は昨日からとっくにスタートです」
「でもさ」
「ん何」
「顧問の先生が言った事本当なのかなぁ」
「それは本当でしょ」
「実際うちの学校は明南に負けてるし」
「そうじゃないよ」
「そうじゃないって?」
「私たちが入っても一生懸命頑張っても絶対勝てないじゃないかなぁ」
「どうして?」
「何かそんな気がしただけ」
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♩
近くで学校のチャイムが鳴った
「やばい早く行かないと遅刻する」
私と美月は急いで走ったその間、私は少しだけ得体の知れない不安に襲われた
放課後、ダンス部の練習場に行った
「結構広い」
それもそのはず昔まで強豪校だったから
「さあ、まずは体をほぐしましょ」
「1・2・3・4」
「1・2・3・4」
「反対」
「1・2・3・4」
「1・2・3・4」
「さてミーティングを始めましょ」
「今日はみんなこれ出来る?」
見たものはよくジャニーズでやっているバク転だった
「すごい」
周りがこの一言で染まった
「さあ最初は君」
「私!」
「おお、かおりが最初かあ」
「頭打たないようにね」
こんなの出来っこない絶対無理
でもやるしかない
「せ〜の!」
「すごい、出来た」
「何、すごいじゃん」
何が起こったんだろう?
でも、味わったことがない気持ち
何っていうか未知の領域に入った感じ
「さすが運動神経が男並みのかおりだね」
「・・・うるさい」
「さあ次は君」
結局バク転とやらが出来たのは私と美月だけだった
ほかは惜しい子も何人かいたくらい
「さあ今日は終わり、それじゃ体ほぐして〜」
「1・2・3・4」
「1・2・3・4」
「反対」
「1・2・3・4」
「1・2・3・4」
「ストレッチはダンスの基本だからね忘れないでね〜」
その後の事であった
それは・・・
「結局、勝てないんだよ!!!」
「そんなこと後輩の前で言うんじゃないよ!!!」
ある先輩か泣きながら言った
周りが静かになりながら・・・
いや
泣く人もいた
その時のことは悔しかったのか悲しかったのかよく覚えていない
でも
美月の言った言葉の意味がやっとわかった気がした
その帰り道
「かおり、どうした?」
「かおり、かおり、かおり!」
「・・あっ!」
「どうしたの?なんか冴えない顔して」
「何かあったの?」
「ねえ、私たちじゃ勝てないのかなぁ」
「えっ」
「朝、言ってたでしょ」
「一生懸命頑張っても明南には勝てないって」
「そうだね」
「なんだったんだろう、ダンス部に入ってダンスするって本当にしたかったのかなあ」
「でもさ私たちで歴史変えよう、私たちで明南に勝とう」
「そうだね」
「約束」
「約束?」
「私たちで明南に勝とう、人一倍頑張って誰にも負けないくらい頑張って明南に勝とう」
「そうだね」
私と美月は泣きながら誓った
「絶対だよ」
「うん、絶対」
それは静かな暖かい夜のことであった
その記憶は鮮明の覚えていたかった・・・
ダンス★ダンス 新島中高校ダンス部物語 小林俊介 @coskoo3
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