第5話
【完成プロット 5話】
○再び2人同時にAとBの部屋を確認する2人
○Aの部屋を2人で確認して女性が先に出た時、部屋の奥でカケルは胸のポケットの
たばこのふたを開けて、残り1本の煙草を吸おうと一生懸命
ライターの石をこするがつかない。
支配人『お客様。申し訳ございませんが勝負部屋を2人同時に確認する時に限り
おタバコはご遠慮ください。』
○部屋の奥の天井にある監視カメラに向かってタバコケースの中を見せるカケル
カケル『何にも仕掛けてないでしょ!ほら!ただのカラのタバコケース!』
○タバコでタバコケースの中をくるくるかき回すカケル
カケル『ほら、何にも出てこない』
支配人『試合中にここでタバコを吸われるのはかまいません。
しかし今は公正な確認の時間ですので後にしていただけますでしょうか?
トラブルのないようにお願いいたします。』
カケル『はいはい。負けがこんだら吸いたくなるのがタバコなんだよね』
○少しあきれた表情で部屋をのぞく女性
○あたりを見渡しながら部屋をそっと出るカケル
○部屋から出ても辺りを見渡すカケル
カケル『このタバコのケース確認します?』
女性『いえ。そのケースをさわった私の手は
次に勝負部屋のドアのノブも触るので遠慮します』
カケル『やりますね!そこまで読むとは!』
女性『では先行でも、後攻でもどうぞ』
カケル『じゃあ、先行で!』
○再び小部屋に入るカケル。通路から愛を呼ぶ
愛『ねえ・・見られるとまずいんじゃないの?』
カケルが不満そうな声で『旅行カバン・・』
愛『はい・・』
○旅行カバンを開けると新しいモップと前回と違う色のビンを手にするカケル
愛『え・・またモップ作戦?』
カケル『うん。でも、今回は薬品が違う!』
愛『ちょっと・・声、大きいよ・・』
○大部屋に戻るカケル。余裕の表情の女性
○不機嫌そうにどかっとソファーに座るカケル
○それを横目で見て鼻で笑い、女性は小部屋に向かう
小部屋に向かった女性は手袋をして、通路へのドアをノック。1人の男性が入ってゆく
それを見ている愛
愛『さっきも入っていった人かな?店員さんじゃなかったんだ・・』
○ドアの前の小部屋の灯りを消す女性
女性『光らない・・薬品をかえて来たのかな?(笑)』
男性『はい!薬品を変えたという声をこれで聞きました!』
○男の耳のアップ。集音器が付いている
○ポケットから茶色のサングラスを取りだしてかける女性
○床には何か塗られた跡が浮かび上がる
女性『ふ、他愛もない。成分を調べて!』
○男もポケットからサングラスを取りだしてかける
○そしてテレビのリモコンのような機械で床に赤い光を当てる男
男性『ワックスに遠赤外線放射塗料を混ぜています!塗った所に熱を発します!』
女性『なるほど・・今度は熱の足跡か・・
熱探知機も持ってるんだ!ふふふ(笑)プロじゃない!
これなら踏んだ後に拭いて消しても熱が床に残る。か・・』
女性『外で女の子が見てるから、あんまり使いたくないけど
こりゃ、本気でいかないとやられるね!勝負用のテーブルを持ってきて!』
男『はい!』
○AとBのドアのある小部屋の床に一切脚が付かない電動で伸びるテーブルを
中間の部屋から伸ばして、そのテーブル上を通り部屋に入る女性
○大部屋のアナウンス
支配人『女性のお客さまが1億円を獲得いたしました。しかしプッシュを
なされましたので現在どちらかのお部屋には10億円が置いてあります。
プッシュをお受けしない場合はご退出ください』
○大部屋に女性が入ってくる
○静かにソファーに座る女性。カケルは女性の正面ソファーに移動
カケル『プロの方ですか?』
女性『さあ?あなたこそプロでしょ?』
カケル『僕は学生です。』
女性『ふ~ん。ここでは正体をばらした分だけ不利になる。
もし、言ったところで嘘かホントかなんて分からない。
無駄な事を聞くのね(笑)』
カケル『そうですね・・。』
○しばらく女性を見つめるカケル
カケル『10億円、頂きますね』
女性『あははは!どうぞ!』
○見つめ合う2人。やってごらんといった表情の女性。自信満面のカケル
○ジャケットを脱いで、シャツの袖をまくり、小部屋に向かうカケル
○ドアの前の小部屋に1人で入るカケルは部屋の中をじっくり見て回り
そっと中間の小部屋に戻り、ゆっくり引き戸を閉じる。
ここでも部屋中を見渡す、ゆっくり通路へつながるドアを少し開けて愛を呼ぶ
愛の心『あれ?ジャケット脱いでる・・負けて熱くなってるんだ・・』
愛『どう?1億円とられた?なんでドアしっかり開けないの?』
カケル『大金がかかった勝負だから静かに入って。扉はあまり開けないでね』
愛『うん・・』
○扉を少しだけ開けてそっと中に入る愛
カケル『2回連続で当てられた・・多分プロだから、俺の入った方が分かるんだよ。
しかし、その仕掛けは分からない・・』
愛『もうやめようよ!お金が全部無くなっちゃうよ!ここで一生は暮らしたくないよ!』
カケル『俺は逃げないよ!愛にお願いがあるんだ!』
愛『なに?』
カケル『この部屋の2つのドアは両方開けないで、この部屋に蚊がいたら教えて欲しい。
もし何かあったらドアをノックして!10億円がかかってるから真剣に頼むね!』
愛『うん・・』
○AB扉の前の小部屋で一生懸命に蚊を探すカケル
○中間の小部屋をしばらく探す愛は引き戸を1センチほど開けてカケルに
話しかける
愛『いないよ・・』
○汗だくのカケル
カケル『時間いっぱいまで探そう!1匹10億円の蚊だ!』
○アナウンスが小部屋に流れる
支配人『そろそろ10分になります。どちらかのお部屋を選んでください。
キャンセルはできませんので選ばない場合も10億円をお支払い頂きます』
○カケルは震える手で引き戸を開けて2人は話し合う
カケル『み、見つからない・・一応俺がこっちも見るよ・・』
愛『いないんじゃない?』
○腕をかく愛
○カケルの眉間にしわが入る
カケル『!?』
○愛の腕をつかみ、そばでじっと見るカケル
○前回入った部屋のノブをぐっと握り、勢いよくドアを開けると
1億円のアタッシュケースが10個ある
○真っ赤な顔で両手でガッツポーズをとるカケル
カケル『おっしゃああああ!!!!』
愛『わ!!!!あった!!!!あったよ!かける!!!!』
○アタッシュケースを持とうとするが手が震えて持てないカケル
○まともに歩けずに腕を震わせながらその場にしゃがみ込むカケル
○後ろから抱きつく愛
愛『なんで・・なんで蚊を探したの?』
カケル『さっき、勝負相手とする最終確認でこの部屋に入った時に
今日、林で捕まえた蚊を数十匹放ったのさ!対戦相手が外に出た時にね!
見ているのは監視カメラだけ!しかし、蚊を監視カメラで見るのは困難!
俺は1回目のベットを蚊のいない方に行った。
その後、相手も蚊のいない方の扉を開け1億円を獲得した。
問題はその次、10億円を蚊のいる方に置けば蚊は外に出る。
または相手が蚊に刺される。
蚊のいない方に置いていれば蚊は外に出ない!』
愛『蚊なんて持ってたの?旅行カバンから取らなかったよね?』
○息を切らせながら胸のポケットの煙草のケースをさわるカケル
愛『その中だ!』
○少し笑いながら、得意げな顔でポケットにたばこをしまうカケル
カケル『これが今回の切り札さ!最初の勝負で相手は小切手ではなく現金1億円の
アタッシュケースを置いた!10億円ともなれば、その十倍の持ち込みだ!
数十匹の蚊の1匹くらいは部屋から出る!もしくは蚊に刺される。
もし、蚊が部屋から出れば俺の勝ちだ。
少なくとも1匹が部屋を出て愛の血を吸った。だから愛は腕をかいた。
俺がジャケットを脱いで腕まくりをしたのも蚊を集めるため!
最後に対戦相手の正面ソファーに座り、無駄な会話を仕掛けたのも虫さされの確認さ!』
愛『そう言えば、腕を刺されてる・・夢中だったから分からなかった・・』
カケル『薬品を変えて塗ったのはフェイク返し!
わざと廊下にいる協力者に聞こえるように大声で話して薬品を変える事を教えた。』
愛『あ、だからさっき、大声で?私、知らなかったから注意してごめんね・・』
カケル『いいんだよ!それも計算のうちなんだ!嘘の仲間割れの空気はプロに
通用しない!たばこケースの中身を教えなかったのも、いずれ来る仲間割れなどの
トラブルを想定してのものなんだ。心配させてごめん。』
愛『ううん』
カケル『最初に負けたのも全部フェイクだ!無駄な床掃除をして
一生懸命勝負しているように見せて負ければ相手の警戒を解く。
負けて口喧嘩をしている、おろかな若いカップルを演じる必要があったのさ!
そしてその行動は財布のひもをゆるませる!』
愛『・・そこまで考えたんだ・・』
カケル『負けたら6億円以上の借金!払えない。通路にはびこるローザーの仲間入りさ!
そんなのは御免だ!』
○支配人との清算を済ませ、大部屋に帰ると女性は顔を両手でおおっている
○その女性に目もくれず、ジャケットを取り、静かに部屋を出るカケル
ギャンブラー @hasegawaplan
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