第3話 じいちゃんとごはん
「マサ、ユウ、まだお肉あんでー」
「じーちゃんもうぼく、おなかいっぱいやー!」
「ユウ、まだたべれるー!しろいごはんもたべるー!!」
じいちゃんの家でご飯を食べるときは、よくお肉が出てきた気がする。
私も兄も肉が大好きだったからだと思う。
みんなでホットプレートを囲う焼肉。
焼きあがれば、いつも私たちの皿に優先して入れてくれた。
ばあちゃんがさっと作る肉炒め。
野菜と肉の割合はもちろん肉が多めだった。
いつもいっぱいのお肉を用意してくれる2人は、笑う私たちをいつも優しく見ていた。
たまに焼き魚が食卓に出ると兄と揃って口をとがらせていた。
そのたびに、しっかり者のばあちゃんには「魚も食べんと骨が強くならんで!」と
叱られていたけれど。
それにじいちゃんは頷きながらも、私たちが食べたくなくて少しずつじいちゃんの皿に移す魚を気づかない振りをして笑って食べていた。
「ユウはほんまに美味しそうにいっぱい食べるなー」
「うん!おにくすき!」
「そーか、そーか。ほんならじいちゃんのお肉ちょっとあげよ」
「やったー!!じいちゃんありがとう!!」
兄は小食だったけれど、私はよく食べる子でおかわり!とよく叫ぶ子だった。
でもいっぱい食べると、じいちゃんとばあちゃんも嬉しそうに笑ってくれるから。
お腹がいっぱいでもう入りそうもないのに、おかわり!ってお茶碗を掲げた。
でもお腹がいっぱいなことはばあちゃんにはお見通しで、茶碗に入るご飯はいつも少なかった。
じいちゃん、私大人になったよ 佑樹 @kizuna_1534
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