第1-2話「NewNew Impulse」

「やあやあ、やっとお目にかかれたよ」


女は鉄格子の前に腕を組んで立ち高らかにそう宣言した。

腰まである艶やかな黒髪を揺らして僕の目をまっすぐに見る。

生身の人が出てきたとはいえにこにこと笑っているのが逆に不気味だった。


「おい、ミア騎装官、きさまは許可も取らずにこんなことを!」


先の僕にけん制射撃をくわえた奴は女の胸元をつかんで言う。


「離せよ、暗黒門あそこはこっちの管轄だろ?約束を違えたのはそちらだ」


「・・・くっ・・・」


奴は手を離しすばやく部下を引き連れて廊下を歩いて行った。



「すまないね、来るのが遅れてしまって。私はミア・ロイスダール、ミアと呼んでくれればいい」

彼女は拘束を解きながら頭を下げる。


「あの・・・僕は・・・」

様々な感情が巡り巡って言葉にならない。

彼女はうなずいて

「聞きたいことは山ほどあるだろうがまずはここから離れるぞ。

もたつくとまた彼らに拘束される」


「なんで僕が?ここはどこなんですか!?」


「落ち着けよ。君にとって私は吉の存在だ。さ、飛ぶぞ」


「飛ぶって・・・誰が・・・」


「とぼけるなよ。・・・ほら」

そういって彼女は地べたに座る僕を軽くひっくり返すと猛烈な悲鳴をあげた。


「おまえの背中・・・ スカイスフィアはどうした・・・?まさか・・・本当に?」


「あのミアさん・・・スカイなんとかって・・・?」


「・・・いくぞ」


ミアと呼ばれる彼女は僕の腕を掴み一気に光の羽のようなものを展開させると加速し正面の壁を突き割って文字通り、飛んだ。


「うわあああぁああああぁぁああ」


晴天の天空へと投げ出された僕は、叫んだ。

青空に向かっておもいきり。


すべてはこのソラへと始まる。











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Sky of Queeeeeeen! ぱりん @parin24

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