第2話

スターターボタンを押すと低いエンジン音と共にディスプレイ等が点灯しわずかな振動が伝わってくる。

メカロボウォークに乗り込み今日こそこの薄暗い車庫から庭にのりだし自由に気ままに青空の下走り回ってやると思っていると、

「お早うございます、今日は3月28日天気は1日晴れの予報です。」

思わず辺りを見回すがコクピット内には誰もいるわけもなく平日の今日は両親は不在のはずいったい誰かとびくびくしながらメインカメラを操作して外をを見渡してみるが庭には誰もいない遠くに烏が飛んでいるばかりである。

「発進前にメインカメラのチェックとは関心ですね」

また聞こえてきた、だがまてよメインモニターの右下の方に開いているウィンドウにナビサウンドオンリーと出ているのに気がついたつまりナビがいつの間にかついていたらしい。

「やだなー、昨日設定してくれたじゃないですか」

設定はほとんど父任せにしてたので忘れてた、まあ消しかたも分からないのでこのままでいいか早く操縦したいし。

気持ちを切り替え操縦幹を握りアクセルを踏み込もうとするが踏み込めない、いくら踏もうともびくともしない、

「シートベルトを着用してください」

ナビに指摘されてしまったうっかり忘れていた危なかった。

今度こそとアクセルを踏むもまたもや駄目である。故障かなと足下のアクセルペダルを見るも特に異常は見られないまあ私が機械に詳しいわけではないのでわからないがペダルが動かないのである、

「ナビどうしてアクセル踏めないぞ」

ダメもとで聞いてみるとすぐに機械音声で返事がかえってきた。

「サイドブレーキがかかったままですよ」

ほんとだ画面にサイドブレーキがかかっているマークが出ているブレーキレバーを下げサイドブレーキを解除しもう大丈夫だろうと画面に何かマークが出てないか確認する、今度こそとアクセルを踏むもまた動かない、

「今度は何」

「足元注意左足前方に障害物あり、このままでは立ち上がったさいに踏んでしまいます」

「何かあるの」

座っている状態の今ではモニターでは死角になってしまい何があるのかは見えないが確かにモニターにはアラートが出ていたナビなしでは踏んでしまうところだった危なかった。

メカロボウォークから降りて確認すると野良猫が走って消えていった暖を求めてよってきていたのだろうか、こちらが動いたら逃げたと思うけどとりあえず逃げてくれて良かった。

「これは」

猫がいた辺りを見ると煮干しと思われる魚が落ちている何でこんなところにこんなものがあるんだろう…。

運転席に戻り考える

「ナビの設定て何か選べたりする、例えば安全面で」

「そうですね何段かにわけて安全サポートレベルが設定出来ます、今は最高レベルです」

やっぱりそうだったのかまったく。

「今日はこれで終わりにする」

「そうですかお疲れさまでした、またのご登場をお待ちしてます」

「ああ、またね」

エンジンを切り家に戻ることにするさてはてどうしてくれようか。

部屋で勉強しながらそろそろ夕飯かな今日はシチューがいいなとか考えて勉強に集中出来ないでいると来客を告げるインターフォンの音が聞こえてきた母は料理中出しでないだろうからモニターを見に行く事にし1階に降りる

「誰かきたの?」

母はやはり手が話せないらしく私がモニターを覗く

「男の人がいる」

「セールスぽっい人なら無視で」

「わかった」

セールスぽっいがどんなだかよくわからなかったのでとりあえず放置することにした、すると今度は携帯電話が鳴り出した確認して放置すると今度はメールがきた、「玄関のセキュリティが鍵だけでなくパスワードを要求するんだけど」「入れないよ。あけて」「おーい開けてクレー」放っておいたらメールがどんどんきた。

「それにしても父さん遅いわね帰って来るまでご飯待っててね」

なんだとお腹の具合と母に免じてまあこのぐらいでゆるしてやるとしますか。

私は玄関のセキュリティを解除する代わりにメカロボウォークのセキュリティレベルの低下を獲得したのだった。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メカロボウォーク @nano-pico

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る