メカロボウォーク
@nano-pico
第1話
やっと私専用のメカロボウォークが家に届いた。
バイトとお年玉とお小遣いで貯めた貯金がすっからかんになったけど後悔はしていない。
楕円形のボディーに手足が付いた1人乗り用小型ロボットそれがメカロボウォークである。
私がこの春から通う事になる高校にはロボ通学が許可されており親に無理言って購入した、まあ父親はメカロボウォークフリークなので一緒に母を説得してくれたのだが。
しゃがませているミルク色のボディーの背中の部分を開閉させコクピットを覗き込む、座り心地の良さそうなシートに腰掛けドアを閉める。
さっそくエンジンを始動させると低い駆動音と共に機体に振動が走る、モニターが写り外の様子が写し出される狭い駐車場のなか満面の笑みの父と心配そうな母が見える。
「お早うございます始動ありがとうございます、さっそく初期設定を初めてよろしいでしょうか」
びっくりしたがそういえば人工知能のオートナビが搭載されているんだっけ忘れてた、面倒なので後で設定することにしとりあえずひとっ走りさせるために立ち上がらせる。
セミオートなのでただ走るだけなら簡単なはず、手を使っての作業は難しいず。
ゆっくりそろそろアクセルを踏み込むと1歩前に踏み出す続けて2歩目
「やった歩けた」思わず声に出し小さくガッツポーズをとると思わずアクセルを踏んでしまいあわててブレーキを踏んでしまった。
前のめりに倒れそうにる
ロボの手を勢いよく後ろに
もう一方の手で地面を打つ
機体が回転し足を伸ばす
半回転して車庫の奥を向いて立ち上がったメカロボウォーク、とっさのことで何がどうなったかよく分からなかったが転ばずにすんだらしい、さすがのオートバランサーだなあ。
父が何か怒鳴っているのがモニターから見えたのでて電話してみると運転が荒いと怒られてしまった、これほど父が怒っているところを見たのは初めてである。
「まったく、あんな急激な動きをしたら機体が持たないぞ…」
やっぱり機体の心配かと思っていると体をあちこち軽く叩かれた
「何すんだ」
あわてて飛び退くと
「痛いところは無さそうだな良かった」
ホッと息を吐き母と顔を見合わせている父、急にそういうことはしないでほしいよまったく。
「それにしてもお前ナビの言うこと聞かないと危ないぞ、ある程度ナビに任せればオートバランサーで転ばないんだから」
「ナビ設定してないよ」
「は、初期設定したろ、AIナビに話しかけられただろ」
父が信じられないという顔で聞いてくるが面倒くさいのでた飛ばしたと答えるとへたりこんでしまった。
「あなた大丈夫ですか」
母が心配して寄り添うが何かぶつぶつ言って父には聞こえてないようだったがいきなり立ち上がると
「この馬鹿たれが」
頭上からグーパンされてしまった。
結局今日はその後父にたっぷり怒られ付きっきりで初期設定させられ運転出来ませんでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます