「変成男子」


 創作界隈で聞く女体化という単語。

 この反対を男体化というのは聞いたことがある。または男性化。


 女性のキャラクターを男性にみたてて創造するというジャンルであって、変成男子とは関係がない。

 しかし、この変成男子が創作界隈でいう性別チェンジの元祖、開祖、であるのではなかろうか。

 極論かもしれないが。源氏物語をあるライトノベルのはじまりと言うようなものだけれど。


 何故わざわざ性別を変えるのか。趣味ではなくて。

 その理由に納得できる思想として仏教の経典に記されているそう。

 それが変成男子。ただし創作界隈の男体化の嗜好とは別物ではある。


 はっとした。性別をチェンジさせることには仏教的にも意味があったようだ。

 男体化の歴史は古かった。おまけにその理由が理由で「はあー」と納得した。


 要約すると、女子は成仏することか難しいので極楽浄土では男子に成る。これで平等になり、成仏することができる。

 本来ならば女は成仏できない。罪業があるからしょうがないね。という身も蓋もないところに、女子にもチャンスをという形で、男子になるから性別は関係ないという解釈がされた。と読んだ。

 一見して男尊女卑を極めたような思想。しっかりとした理由付けがあった。


 記事をよくよく読んでみると、実はこの「女は成仏できない」という思想、仏教界隈では否認されていたそうだが、そのせいで余計に広まったとある。

 時代は流れ江戸から明治にかけて一般的に扱われだした。女性蔑視の正当化云々。家長制度云々。

 それも今は「どっちでもいいね」の扱いになっているようだけれど。議論はつづいている。

 変成男子は、どうにかこうにかしようとした結果の解釈だった。


 創作の小ネタに仏教ネタも面白い。

 個人的に元ネタの答えあわせのような胸おどる記事だったのでメモ。

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