第4話

真野さんの後ろを犬と歩く。



「ところでさあ、君何歳なの?」


真野さんは顔だけ後ろに向けて笑いながら問う。



「21です。」


ちなみに誕生日は10月21日

ノーベル賞のノーベルさんと同じ日だ。



「へー」



聞いておいてあまり興味のなさそうな返事。



そこから無言が続く。


真野さんは何か考え事をしているみたいだ。



元いた場所から20分ほど歩くと、駅の近くの通りに出た。



真野さんはある喫茶店の前で足を止めた。



「うちの事務所、ここの二階なんだ」



そう言われて上を見上げると、

【探偵やってます】という紙が二階の窓から見えた。


いやいや、中華屋かよ。


思わずツッコミそうになってしまった。


まるで冷やし中華のノリ。



「このビルは三階建てで、一階に喫茶店、二階にうちとどっかの会社の事務所、三階はちょっと怖い会社の事務所が入ってるんだよ。」



「は、はあ」



「とりあえず上がろうか。」



わたしの反応はどうでもいいようで、言いたいことだけ言ってさっさと上がっていく。





「って、犬も一緒に事務所入っていいの?」

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探偵(の秘書)始めました @manumanu

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