擬音祭り

 小説家志望の私はよく作中で擬音語や擬態語を使う。

 最近やっと長編が完結したので、お世話になっている彼らと焼き肉屋に行き、打ち上げをすることになった。

 肉を鉄網に置くと「じゅうじゅう」という擬音語が喜ぶ。

 サラダを食べるときに「シャキシャキ」がちゃかして場を盛り上げる。

 水をコップに注ぐときは「とくとく」が調子に乗り、少しこぼしてしまった。

 会計を済ませようとすると、財布の中に忍び込んでいた「ちゃりん」がいたずらそうに笑った。足りない。

 冷や汗を流す僕の背後で、「ちゃんちゃん」という音が打ち上げを締めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る