締切は力をくれる

 私の小説執筆は短編から始まって、長編も書くようになりました。長編を書くようになってからは一話完結の短編はあまり書かなくなっていたのです。何かしらのイベントに参加した時か、いいオチを思いつけた時くらいですかね、短編を書くのは。

 そうなっていた私をまた短編沼に落としたのは、そう、KACです。KACもまたイベントですけど、他のイベントと決定的に違う所がありました。皆さんお分かりですよね。締切がっ! 締切が厳しいっ!


 でもね。この締切があるから私はKACを楽しめたのだと思います。自分ルールで期限を決めてもきっと守れないんすよ。外部からいつまでに作品を書いてね。って言われると、不思議と力が湧いて書けちゃうんです。

 言うなれば、締め切りとは縛りであり、締め切りとは活力でもあるんだなぁ。


 そして、呪術的に言えば締切は呪いです。契約みたいなものです。もっと軽く言えば約束かな。勿論、KACの締切なんて破っても罰則は何ひとつありません。皆勤賞の対象でなくなるくらいです。

 でも、後がないと言うあの緊張感が不思議な力を与えてくれるんですよね。これぞ締め切りパワーと言えるでしょう。創作者が締め切りギリギリでとんでもない力を発揮するのも分かる気がします。アレはきっとギリギリでないと出てこないんですよ。


 勿論、サクサクと書いて余裕でクリアする人もいます。そう言う人はそう言う人なのでしょう。KACでも執筆が早い人と遅い人ばかりでしたからね。その真ん中あたりで公開する私のような人は少数派です。


 人は、何もかもが自由だと逆に上手く出来なかったりします。何かしらの条件とか、枷がある方が上手く行ったりするって言いますよね。その条件のひとつが締め切りなんじゃないかな。

 KACのように締め切りがキツくなかったら、私はきっとここまで短編を量産出来てはいなかったでしょう。KACが終わったらしばらく普段の執筆ペースには戻れないんですけど、それでも毎年KACは楽しいです。締切があるからこそ燃えるんですよね。


 と言う訳で、今回は締め切りについてでした。今年のKACも楽しかったなぁ(遠い目)。

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