シナリオ作家協会の動画を見ました

 セクシー田中さん問題の続報的なアレですけど、原作者先生の訃報が流れた後で作成されたシナリオ作家協会の対談の内容がネットで波紋を呼びました。SNSのトレンドになったので、ご存知の方も少なくないと思います。

 こちらの動画はあまりにネガティブな反響が多くて、公式サイトから動画は削除されております。消えれば増えるの法則で、録画されたものがネットにアップされているのですけどね。


 もしこの対談を知りたい方は『【密談.特別編】緊急対談:原作者と脚本家はどう共存できるのか編』で検索してみてください。いくつかのサイトがヒットします。いつ消されるか分からないので、早めに見た方がいいかも知れません。1時間程度の動画になっております。


 この動画の内容はセクシー田中さん問題を中心に語っている訳ではなく、田中さん問題をきっかけにして、対談している脚本家さん達の原作付きドラマの脚本を担当した時の体験談がメインになっております。なので、この対談を見る事で参加した脚本家の人の認識が分かると思います。勿論、こう言う人ばかりではないとは思いますけど。

 この対談は脚本家の人達だけで語っているので、自己弁護、自分達は悪くないよと言う体で話が進んでおります。ここが悪かったよね的な話の流れはなかったかな。つまり、自浄作用は期待出来ない内容になっておりました。


 この手の対談ってどうして問題が発生したのか、何が問題だったのか、どうすれば問題を起こさずに済んだのかとか、問題解決について話し合うものじゃないですか普通。そう言う話には一切なりませんでした。

 自分達もここが悪かった。同じ状況になったらこのようにしよう。と言う展開にならなかったのは、司会の人にそう言う考えがなかったからなのかも知れません。


 この動画が何故炎上したのかと言えば、脚本家の人が原作者先生をリスペクトしていないと思われる部分があったからなんですね。原作者には会いたくない。大事なのは原作であって原作者じゃないとか、原作そのままを望む人が増えるのは危険だとか、原作そのままだと脚本家が育たないとか。

 オリジナル書きたいけど、ハードルが高くて企画が通らないから原作モノやってるんだみたいな話もありました。


 って言うか、脚本家はドラマの企画が決まってから呼ばれるものなんじゃないのかなぁ。何故脚本家がドラマの企画を立ち上げるぜって流れで話が進んでいるのかしら?

 私は雇われの脚本家なので、そう言う仕事を振られたからやるだけですよ。って話なんじゃないの? まぁ脚本家がメインで話を進めるパターンもあるのかもですけど。


 実際のところ、この問題って脚本家だけが悪い訳ではなく、プロデューサーも出版社も、つまり関係者全員が原作者先生を追い詰めてしまったのでしょう。色々な関連動画とかを見ると、闇が色々と漏れ出して来ている気がします。

 一番悪いのは出版社では? と言うところまで闇が――あわわわ(汗)。


 各部門に問題があったのに何故この件で脚本家が責められているのかと言えば、最初に石を投げたのが脚本家のインスタ投稿だからなんですよね。

 なので、田中さん問題を語るのなら、舞台裏をSNSで語っちゃダメって言う話をメインで進めなくちゃいけないんですよ。それを語らない時点で本質からズレていて、全く意味のないものになってしまうんですよね。


 ただ、この動画では脚本家の本音が語られたのは良かったかなと思います。脚本家の人の中には原作をドラマ用に直して、それを誇りに思っている人もいると言う。プロデューサーとか監督のオーダーに従うだけの職人脚本家の人もいると言うね。そうなんだろうなと言う気はしていました。

 でも、そう言う脚本家の人の方が重宝されるんだろうなとも思います。何でも要望通りにしてくれますからね。


 田中さん問題の流れを簡潔に説明すると、9,10話の評判が悪かった。脚本家がアレは自分の脚本じゃないし、こう言う事があってはいけないみたいな内容をインスタに投稿。同調するお仲間コメントに並ぶ。そこでそうなった経緯を原作者先生自身が投稿。その反響が大きくて原作者先生が自分を責めてしまったと言う流れ。

 それ以外にも、表に出てきていないアレコレもあるのかも知れません。その辺りはもう闇から出てこないのかもですね……。


 この問題が広まって、過去に映像化でヒドい目に遭った漫画家先生の告白みたいものも多くネットに流れてきました。原作を好き勝手にされてメンタルにダメージを負ったと言う話ばかりです。それらを読むと、闇の深さを実感しましたね。

 勿論、原作者先生も納得の映像化の話もあります。そう言う成功パターンがどんどん増えて行って欲しいものですね。


 と言う訳で、この問題に関する内容をこのエッセイで書くのはこれで最後にしたいと思います。今後、原作モノドラマがどう変わってくのか、それとも変わらないのか。数は減っていくのか、変わらないのか、それとも増えていくのか。

 例え表面上は変わらなくても、原作者先生が苦しむ状況だけは変わって行って欲しいと願うばかりです。

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