お約束を知らない世代が増えている?
9月29日(※執筆時)に金曜ロードショーで『葬送のフリーレン』が放送されました。いやあ、とても良かったですね。ネットコメントを見ると、泣いたと言う感想も多く見られました。もちろん、静かで落ち着いた作風ですから合わない人にはとことん合わないと思います。そう言う人はつまらないと言って作品をけなすのではなく、そっと視聴をやめて頂ければと思います。
で、ここからが本題なのですけど、RPG的なお約束を知らない人はフリーレンのお約束展開が分からなかったと言うのですよ。魔法使いって何? 僧侶って何? 勇者って何? なんで一緒に旅をしてたの? 魔王って何? ってね。
フリーレンはなろう小説ではありませんけど、異世界ファンタジーのお約束前提で話が作られています。なので、例えば勇者パーティーとは何かの説明はありません。だから、そう言う物を全く知らない人を置いてけぼりにしてしまったのです。
いい作品なのに、前提が分からないからつまらないと感じてしまう人がいるだなんて、なんて勿体ない……。
この異世界ファンタジーのお約束が分からないと言うコメントは、意外と少なくありませんでした。最初はゲームと縁のなかった極一部の人の話かなと思ったのですけど、分からない人の分からない理由を目にして、ちょっと考えを改めましたね。
そう、今は多くの人がこぞって遊ぶRPGってのがないんです。そもそもRPGは遊ばないって人も少なくありません。敷居の低いはずのドラクエも2020年にXIのSが出てからナンバリングタイトルは出ていませんし……。新作は開発中ですけどね。
そう、今はRPG自体がそこまで遊ばれていないんです。ドラクエの求心力もどこまで残っているのやら……。今までのファンが遊んでいるだけで、新規ファンはどれだけいるのでしょう?
今の時代はゲームも多様性の時代です。みんながひとつのゲームを遊ぶ時代ではなくなっています。そうなると、共通認識が通じなくなってくるのですよね。ゲームのお約束だから説明は飛ばしますと言うのが通用しなくなる時代が、もうそこまで来ているのではないでしょうか。
もちろんこれから先も、好きな人にとって異世界ファンタジーは説明不要なものであり続ける事でしょう。ただ、そう言うお約束を知らないから読まないと言う人も、今後は増えていくのかも知れません。
そうなったら何が起こるのか。そうです、異世界ファンタジーブームの終焉です。今までも様々なブームが発生しては終わっていきました。異世界ファンタジーだって永遠ではないのです。いつかは終わる日が来ます。
その予兆が、お約束を知らない世代の台頭になるのではないでしょうか。学生時代は3年ですっかり入れ替わってしまうように、崩壊は始まると意外に早いのかも知れません。今はまだ何も感じられなくても……。
このブームが去った時、次に来るのは何ブームになるのでしょうね。その時、ラノベと言うジャンル自体がオワコンにならない事を願うばかりです。
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