斬新な作風の作品があるとそれが流行りかなと思ってしまう

 私、自主企画をよく立てるんですけど、集まった作品の中に今までと違う作風の作品がたまに見つかるんですよね。文則を完全に無視していたり、段落分けが独特だったり、地の文が極端に短かったり、空行が全然なかったり……。いや、空行がないのは本格的な作品でも割とよく見るやつか。


 とにかく、そう言う斬新な作品を読むと、もしかして今はこう言う書き方が流行りなのかしら? と思ったりもしてしまうんですよね。流行りだからそれに乗っかってるのかなと。私、もう流行りとかに疎いですからね。

 漫画の絵柄みたいに、文章の書き方にも流行りみたいなのはあると思うんです。「まだそんな書き方してんの? ダッセー! 今はこれが最先端なんだぞ!」みたいなのかなーと。


 振り返ると、1980年代の文章ってやっぱ時代を感じるんですよね。ちょっと古いでしょうか。多分調べると1990年代の文章、2000年代の文章、2010年代の文章、2020年代の文章ってそれぞれ特徴がある気がするんです。どうかな?

 2000年代と言えばケータイ小説の時代。文則も何もあったものじゃなくて、展開もジュエットコースター過ぎましたよね。ズッ友ダョ! 2010年代くらいからWEB小説が台頭してきたのかな。タイトルがどんどんあらすじになっていくんですよね。文章の方では、画面上で読みやすくするために改行や空行が多くなると。


 2020年代の文章の特徴は分かりません。今度どうなっていくのでしょうか。斬新な方向に進んでいくと、おじさん時代に取り残されちゃうなあ……。


 今回自主企画に集まっていた作品で一番びっくりしたのは『句読点の全くない作品』ですね。なんでそう言う書き方なの? それが読みやすいと確信を持っているの? と、作品を目にした途端に画面を閉じましたね。ちょっと無理だなと。自分には早すぎるなと。

 後でこれかなと言う理由を思いついたんですけど、漫画のセリフって句読点ないんですよ。そこから句読点のない作風に辿り着いたのかなと。普段から小説を読む人なら句読点を全く使わない書き方なんて出来ないでしょう。私ですら拒否反応出ましたもん。


 実際のところ、斬新な書き方をしている人のほとんどは小説初心者で、作法を知らないからこそ自由に書いているだけなんですよね。それを直すだけでもっと読まれるようになる人も多いのではないかと思います。

 それが流行りなら高評価になっておかしくないのですけど、斬新な書き方をしている人で高評価のものってないですからね。少なくとも、私は見た事がありません。


 ただ、2020年代の文章ってのもやがては出てくるのでしょうね。10年後に振り返らないと気付かないような、微妙なものだったりするのかも知れませんけど。

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