設定を作り込むか、勢いに任せるか

 物語を創作する人には大雑把に分けて2種類、いや、そのどちらでもないを合わせると3種類になるのかな。そう言う分け方が出来ると思うんですよ。

 どう言うのかと言うと、タイトルにも書きましたけど、設定を作り込むタイプと勢いに任せるタイプです。


 設定を作り込むタイプと言うのは、明確なテーマを元に話を作り込む人ですよね。プロットを作り込んで、一度きっかり流れを決めると無理やりにでもその流れで作る人。ズレそうになるとキャラの言動の方を修正しちゃうタイプ。

 あ、今回の設定重視って初期設定、プロット重視って言えばいいのかも。この場合の設定は物語の流れの方ですね。主人公の環境の設定とかそっちの設定の事ではなくて。


 完成されたシナリオは美しくて、流れの中での矛盾もなく綺麗にまとまっています。そう言う展開を好む人もいる事でしょう。

 ただ、予想外の展開になる事は少なく、全てがそう言う流れになるよなあと言う枠の中に収まる気がします。そう作ってあるのだから当然なのですけど。


 で、勢いに任せるタイプはその逆。ある程度の構想はあっても、書いてみなくちゃ分からないと言う書き方です。アドリブ重視型。特に強固なテーマを最初に設定しない人に多い気がします。設定はしていないのに書いている内に中身が固まってきて、終わってみると予想もしなかったテーマを語っていたりもします。


 つまり、最初の構想と物語の流れが変わってきてもそのままどんどん進んでいっちゃうタイプ。私はこっちの方ですね。ライブ感重視。予定と本番は違って当然ですからね。なのでプロットもカッチリは決めません。決めたら逆に書けなくなるって言うね。


 勢いに任せるタイプの特徴としては、話が面白いと言うか読者の予想を裏切る展開になる可能性を秘めていると言うところにあります。執筆途中でふと思いついたアイディアをガンガン入れる事で、作者にも予想のつかない展開になる事も有り得るんですよね。


 欠点としては、作中に矛盾が出てしまいかねません。読んでいてそう言う矛盾が気になる人からは嫌われます。後、流れ次第では複数の伏線が明かされないまま終わると言う事も。広げた風呂敷が畳めきれずに終わったりする事もあり得るんですよね。

 行き当たりばったりで書いていると、初期に決めていた事がどこかに行ってしまったり(汗)。


 昔の週刊少年漫画がそう言う描き方をしていたのは有名な話ですね。3週間先の展開は考えていない。今週の話が描けたらそれでいい。

 ジョジョの荒木先生の名言に『大人は嘘つきではない、間違いをするだけ』と言うのがあります。これはつまり、そんなに先の事まで考えて描いてはいなかったと言う事なのですよね。


 プロット重視なのか勢い重視なのか、書き手も読み手も好みはそれぞれです。どちらもメリット・デメリットがあります。完璧な世界観の作品は美しいですし、勢い任せの物語の躍動感も楽しいものです。

 遊びのあるシナリオで綺麗に風呂敷がたためるのが最高なのでしょうけど、難しいですよね。大抵はどちらかに偏ると思います。偏っていいと思います。


 再度書きますが、私は勢い重視なタイプです。プロットで最後までの流れは作りますが、すごく大雑把です。予定外の流れになる事も日常茶飯事。こう言う書き方が性に合ってますね、ええ。

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