天才が努力をして強くなる描写

 さて、スポ根モノやバトルモノのお約束で、天才キャラが壁にぶつかった後にすごく努力して急成長するってお約束のテンプレ展開があるじゃないですか。

 あまりにもワンパターンで王道でいいんですけど、あの表現ってもっと違う見せ方もあると思うんですよ、私。


 努力ってそれが努力に見える努力と努力に見えない努力があると思うんです。

 まず努力に見える努力はそのキャラに苦しい表情をさせて、そのキャラがつまらないと思う行為を延々とさせるって言うのがそれですよね。苦労をさせればさせるほど努力っぽく見える。

 それに対して努力に見えない努力って言うのはその行為自体は同じ事をしていても、それをしているキャラが楽しそうにしているって事なんです。表情が苦しんでいない。嫌な事をさせられていると言う意識がない。


 例えばロードワークをしているとして努力キャラはひたすら苦悶の表情で走り続け、努力に見えないキャラは好きで必要以上に走り込んでそれを楽しんでいる。


 好きな事を好きでやっているのが結果的に努力になっている。そう言う天才キャラがいてもいいと思うんですよね。逆に天才だからこそ努力を楽しめるはず。

 現実の人で例えるならマラソンの高橋選手とか。楽しそうにフルマラソンを走っていた彼女は努力を楽しめる人の代表だと思います。


 大体の創作物の天才キャラは努力嫌いのいけ好かない上から目線キャラって設定です。それもまたテンプレって気がするんですよね。

 才能があって少ない練習量で技術を身につけたり、頭が良くて新しい発想が出来るのが天才キャラの定義だと思うんですが、中には努力が好きで進んで努力しちゃう系の天才キャラがいてもいいと思うんですよ。性格だってお人好しの天才がいてもいいし。


 練習嫌いで壁にぶつかって努力を始める描写にしても、今まで強い相手がいなくて燃えられなかったけど、燃えられる相手が出来たから喜んで鍛錬を積むようになるって描写でもいい訳ですよ。

 何故努力と言うと嫌な事って描写になってしまうんでしょうかねぇ。


 大体、好きな人は進んでそれをしちゃうものですよね。現実の天才だって言われている人の中にも、傍目には努力に見えるような行為を好きの延長で楽しんで続けていたら、いつの間にかそれだけの技術を身につけていたって人もいるんじゃないかなって思うんです。


 好きで努力と言えば筋トレをする人とか楽しんで筋トレをしているじゃないですか。ああ言うテンションで楽しんで努力する天才キャラがいてもいいかなと思った次第なのでした。

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