なろうとカクヨム

 WEB小説投稿サイトと言えば、やはり一番有名なのは「小説家になろう」(以下、なろう)ですよね。私もカクヨムに投稿する前はなろうに投稿していました。

 カクヨムと他サイトを比較するエッセイ等は今までも多くの人が書いていますが、私も両方のサイトを使ってみた私なりの印象を書いてみたいと思います。


 なろうの一番優れている点は、やはり何と言っても読者が多い事です。老舗故の強みですね。なろうに投稿した自作小説は全てこちらでも公開しています(カクヨム転載にあたり、全作品推敲済み)が、全作品軽く10倍以上のPV差があります。


 ただ、多く読まれているからと言ってより評価されているかと言えば、そうでもないんです。なろうに投稿している私の作品、ほぼほぼ反響がありませんでしたから。そんな結果もあって、私はなろうに投稿していた頃、執筆に対する情熱はほぼありませんでした。

 なので当時、なろうへの作品投稿は暇な時間に思いついた小説をコピペして貼っていくだけの単純作業と化していました。言ってみればエヴァでシンジ君が使徒を倒すシミュレーションをしている、あの感じです。


 勿論こちらから積極的に声をかけていれば話は違っていたかも知れません。なろうにも評価機能やコミニュケーションツールは揃っていますし。

 でもその頃の私は他の人の投稿作品を読もうって気持ちがほぼ無かったのです。だから全然交流は深まっていきませんでした。


 そしてそんな惰性で投稿している中で見つけたのがカクヨムが発足すると言うネット記事です。新しく始まるサイトならもっと面白い何がが始まるかもと思った私はほいほいとカクヨムに登録しました。


 本格的にサイトが始まる前に今まで書いた過去作品を準備してサイトがスタートするのを待ちます。カクヨムはまずコンテストありきで始まっていたので、すぐにコンテスト関係の話題が盛り上がりました。私はコンテストには興味がなかったので傍観者的な立場でその様子を眺めていましたけど。


 カクヨムを利用し始めて気付いたのは、なろうよりも評価されやすいし、評価しやすいと言う事でした。PV数なんてなろうと比べて話にもならないくらいに少ないのに、なろうで評価の得られなかった私の作品にポツポツと評価がつきます。

 レビューなんて貰った日にはちょっと小躍りするくらい嬉しかったですね。


 もうひとつの特徴、これはどの小説投稿サイトより優れていると思うのですが、編集のしやすさです。私は何か改善点が見つかるとすぐ直したくなる性分なので編集しやすいカクヨムの編集システムに馴染むと、もうなろうには戻れません。全てのWEB小説投稿サイトがカクヨム方式になればいいのにって思ってしまいます。

 勿論私はなろうとカクヨムのシステムしか知らないので、もっと編集しやすいサイトも存在するのかも知れませんけど……。


 はっきり言ってなろうとの比較だけで言えば、カクヨムが負けているのは読者数だけだと思います(※個人の感想です)。あ、これは飽くまでもシステムの話ですよ。投稿作品で言えばきっとなろうにもいい作品がたくさんあると思いますし、そこは比較と言う目線で見るのは違う気がします。


 さて、何故カクヨムは評価がしやすいか。それは星の仕組みが単純だからでしょう。星1つでグッド。つまり星がついただけで高評価。マイナス評価の存在しない世界。

 これに対しては色々と意見があると思いますが、私は良いと思うんです。マイナス評価は凹みますしね。素人作品なんてモチベーションが全てですから。


 カクヨムのこのシステムはSNSを参考にしたのかも知れないですね。SNSはいいね!はあってもひどいね!はないじゃないですか。そう言う優しい世界。

 しかもこの評価、三段階の星を選ぶだけなのでポンポンと簡単に選びやすい。なろうの評価システムはカクヨムより細かいだけに悩んでしまうところがあるんです。

 上手く言えないけど面白いって場合にこの単純さは背中を押してくれます。


 カクヨムに参加してからは私も他の作者様の作品をいくらか読むようになりました。読むと言ってもまだまだ短編ばかりなんですけど、それでもなろうに投稿していた頃とは偉い違いです。あの頃は自分の作品を投稿する以外の興味がなかったですからね……(汗)。


 作者フォローや作品フォローのSNSっぽい感じも良かったのかな?少なくとも私には合いました。カクヨム発足時のアホみたいなフォロー合戦は様々な問題を起こしましたが、デメリットばかりでもなかったかなと。


 マイページのシステムも改善点はあると思うものの、良いシステムだと思います。フォロワーさんの作品をすべて読むのは厳しいですけど、近況ノートは全て目を通していますし。まず、この近況ノートって名前がいいですよね。


 なろうの同じ機能は名前が活動報告なので自作の進み具合の事しか書けない雰囲気が強くて、私は投稿を開始した事と物語が完結した事くらいしか書けませんでした。

 近況ノートなら名前が近況の報告なので、雰囲気的にも気軽に近況を書く事が出来ます。実際、カクヨムユーザーの方々の近況ノートの内容も自由なものが多くて、読んでいて面白いものが多いんですよね。


 初めて興味を持った作者様に出会うとまず近況ノートをチェックするくらい、今では近況ノートを見るのが好きになりました。個人のブログを読む感覚ですね。そこで交流を密にしているのを発見すると羨ましいなあとか思ったり……(遠い目)。


 結論を言えば私になろうは合わなかった、と言う事ですね。多分それだけの話だと思います。カクヨムだって合わない人は姿を消していますし、そうやって時間をかけてうまく住み分けが進んでいくのでしょう。

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