バトル表現

 漫画でも小説でもバトルシーンは華ですよね。これが面白いとみんな読んでくれます。

 そんなバトルシーン、私は苦手でした。いや、今でも苦手なんですが(汗)。

 苦手の理由は私、普段は漫画しか読んでいないから。小説でのバトル作法(?)を全然知らなかったんです。バトル表現のある小説を全然読んだ事がない、とまで言えば流石に嘘になりますけど。


 漫画を読めばすぐに分かると思いますが、漫画のバトルシーンと言えば擬音です。オトマノペ……じゃない、オノマトペです。

 ドゴオ!とかバキィ!とか、痛そうな擬音が漫画のコマをはみ出しながら読み手に訴えかけるのが漫画でのバトル表現です。他にも集中線とか打撃を受けて歪む顔面などのビジュアル的表現が臨場感を高めてくれます。


 で、初めて自分の小説にバトルシーンを書いた時に、その癖をそのまま出していました。擬音で誤魔化していたんですね。我ながら書きながら稚拙だなあと思いつつ。


 そうしてそのレベルのままでカクヨムに参戦。数多くの創作論を読み、その中でバトルシーンでそんな表現をしたらあかんで(意訳)と言う指摘を受けて大変ショックを受けたのです。


 小説での擬音は飽くまでも添え物。それをメインに持って来ては内容がスカスカに感じるんですね。子供のごっこ遊びになってしまう。小説での戦いの表現は文章できっちり描写しないといけない。小説をほとんど読んでいなかったツケがバトル表現で露呈する結果となった訳です。


 改めて擬音語だらけの自分の作品のバトル表現を読むと頭を抱えるレベルでした。これはあかんなとアクション小説を参考のために読み始めました。あ、カクヨム内の小説です。本来参考にするなら有名作家の作品を読むのが一番なんでしょうけどね。


 拙作の最近の作品でバトル描写に擬音語があんまり出なくなったのはそう言う経緯があるんです。「夢の続きの物語」までは擬音語だらけですよね。


 小説のバトル表現の上手い人は人体の動きとかを正確に描写しています。武術の組手を正確に文章表現したり、これはこれでかなり熟練の技術の賜物ですよね。とても付け焼き刃で対応出来るものではありません。

 そう言う人は人体模型を活用しているらしいです。まさか小説の世界で人体模型が役に立つなんてそんな世界があるとは知りませんでした。


 小説は文章が全ての世界だからこそ、その表現から逃げずにまっすぐ対象物を見つめ、それをしっかり説明する表現力が大事になってくるんですね。

 バトル表現に限らず、今の自分にその技術がないなら、完成された先人の素晴らしい表現を少しでも多く読んで仕組みを頭に覚えさせる。武術の鍛錬のように数多くの経験が、やがて自分の実になると思います。

 それでも独学の場合、どこかで限界が来るのかもですが。


 独学の壁を打ち破るのが、しっかりした目を持つ人の批評なんでしょうね。カクヨムはレビューしかないので(※執筆時)、すぐに有り難いアドバイスは貰い辛いかも知れませんけど、人脈を広げてそう言う人からの意見を貰えるようになれば、きっと技術は上がっていくものと思います。


 自分が思い描く表現をしっかり文章に書き起こせるようになるには、まだまだ道は途方もなく長いです。それでも書き続けて、少しでもその理想に近付ていきたいと思います。

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