嘘予告
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム……我は求め訴えたり……」
闇の中呪文が響く。
魔方陣の中に少女が一人。黒いローブに身を包み、片手に本を持ち呪文を唱える。
本に何が書いてあるのかなど何もわかっていない。どこかで聞いたような呪文を唱えてみているだけ。
「えーと、なんだっけ? もういいやなんでもいいから出てこーい!」
「はい、こんにちは」
「え?」
*****
「呪うわ、坂木くん」
「は? なんで?」
――沈黙を破り動き出した魔女。
「真祖の力を見せてやろう! ヴァンパイアロードたる我が力! とくと見るがいい!」
――野呂の兄も世界征服へとその歩を進め始める。
「織原さん、血まみれで転がってる男の子がいたような気がするかもしれないけど気のせいなのよ?」
「うふふ、ほら見て、私の手から餌を食べるようになったのよ?」
――織原さんは現実逃避で小鳥に餌をやる。
「野呂……やっぱりお前のことが……」
「え? そんな……今更そんなこと……」
――愛子を振ったはずの隆史が愛子の前に現れる。
「四神の残り二つがどんな技か考察するべきだと思うわ!」
「朱雀と玄武で手一杯だ!」
――姉ちゃんは相変わらずだ!
「光一……光一が……冗談だと思ってたのに……あんなのが最後だなんて……」
――泣き崩れる杉本陽子。牧瀬光一は行方不明に。
「転校生を紹介します」
「コンニチワ、ダニエル・ラドクリフ、デス」
「お前茨木だよな!? それお前の鉄板ネタかよ!」
――お約束とばかりに殺人鬼Ⅱこと茨木京四郎は雄一達のクラスに転校してくる。
「なんなんだよ! お前は!」
「私は……浜崎友美の偽物」
「偽物? 本物はどうした?」
「本物は景品として丁重に扱っているから心配しないでね」
――謎の勢力、偽物軍団。雄一は偽物王者決定戦、N-1グランプリに巻き込まれる!
*****
それは黒衣の少女。
呼びかけに応えたのは最強の存在。
「あんた誰よ! どうしてここに!」
「あれ? 呼んでませんでしたか?」
「はぁ? あんた悪魔だっての?」
「はい、大魔王です!」
大魔王を名乗る少女は元気一杯にそう言った。
姉ちゃんは中二病【プロトタイプ】 藤孝剛志 @fujitaka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます