最終話 黒から透明へ
なんだかんだで言ってすごく楽しかった。
彼といて身も体もあの頃に戻った様に1日の時間を過ごせたし
あのことも今日は考えることなく辛かったあの想いを
あの感覚を忘れることができた。
でも、明日でそれが終わってしまう…。
明日は東京に帰らなきゃ…また、あの暗い沼の様な想いを抱えて生きていかなくちゃ…
そんなの嫌だ…僕は彼と…そうあずと楽しすぎる日々を友として幼なじみとして
これから過ごしていきたい。明日意を決して彼に今の気持ちを…
ちゃんと言葉に変えて彼に伝えよう。きれいはそんなことを考えながら眠りについたのである。
そして日は昇り最終日。
僕は彼に昨日決心したはずの気持ちをまだ伝えれずにいた…
(どうしよう…まだ伝えれて無いよう…どうつたえたらいいんだろう…分からなくなってきた。)
と頭の中を巡らせていると、あずが急に海に向かって叫んだ。
「俺はぁぁぁきれいといる時がぁぁぁぁ一番楽しいぞぉぉぉだからぁぁぁ小せぇことでいちいち悩むなよぉぉぉぉ」
僕はその瞬間何かが弾けた音がしたように思えた。
そして僕も彼に対する思いを海に向かって叫んだ
『そんな事くらい分かってるよぉぉぉぉ僕だってどうしていいか分からないんだよぉぉぉぉ』
「分かってんならやることは一つだろ!昔の自分なんかとっとと受け入れて今の自分に生まれ変われってんだ!」
『うん。昔の俺がお前の夢を奪った…。許されない行為だ…。でもいつまでもくよくよしてちゃお前に申し訳ないよ!』
僕は夕日に負けないくらいの笑顔であずに笑いかけてやった、それに返事をするかの様にあずも笑顔で返してくれた。
__________________________
そして僕らは東京行きの飛行機に乗り地元に帰ってきた。
心を黒く塗りつぶしていた黒の絵の具は、いつの間にか海の水に流され
綺麗になっていた。そんな心で見たいつもの風景も人も変わらない様で変わって見えた。
僕はそんな何気ない日々を黒く濁った沼の中で過ごしていたと考えると
これからその失ってしまった時間を取り戻して生きていこうと、あずとこの心に誓って
今日という日を1秒ずつ大切に過ごしていく。
FIN.
そんな僕の世界 もそ @moso0302
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