2話目 感情の転機

とある土曜日の事だった…

急にあずが家にやってきてこ

 「きれい!俺とちょっと旅行に行かねーか?」

無邪気な笑顔を浮かべながら彼は驚きのあまり

鯉のように口をパクパクして何も言えないでいる僕に言った。

 『ど、どうしたんだ急に?!旅行?どこに?え?なんで?』

混乱しながら僕は彼に聞いた…

 「そーだなー…沖縄なんてどうだ?海も綺麗だし料理も旨いし!な!行こうぜ!!!!」

『で、でもそんな急に言われても…母さんにだって相談しないとだし、第一学校は?旅行なんて行ってたら月曜までに帰れるのか??』

僕は彼に今思っているすべてを質問にしてぶつけた。

彼はひょうひょうとした態度と顔で

 「ま!大丈夫でしょ!俺とお前なら1日ぐらい学校行かなくったって許してくれるさ!」

なにをそんな悠長なことを言ってるんだ!?と突っ込みたくなったが…

それは、さておき僕が一番心配だったのが…こんな僕と一緒に行く事で彼を危ない目に

合わせないようにできるかが問題なのだ…。

僕は気が気ではなかったが

 『まぁ…母さんに相談してみるよ…今日ちゃんと連r…』

そんな僕の言葉を彼は遮り

 「あ!おばさんには許可もらってっから安心しな!」

彼の方が一枚…いや、二枚ほど上手だったようだ…

ここで話をはぐらかしておいて後で嘘をついて断ろうと思っていたのに…

先を読まれていたらしい…幼馴染とは恐ろしいものだ。

でも、そんな彼の性格に救われてることは多々ある。

この間だって僕がお腹空いたなーって考えてたら

 「おい!きれい!お腹空いたって思っただろ?メロンパンやるから元気出せ!な!」

なんで…。彼は宇宙人なのかもしれないなんてバカな事を真剣に考えたよ…。

あぁ話が逸れたから本題に戻ろうか。

そんなこんなで僕らは沖縄に旅行に行くことになったのだ。

僕は最初乗り気ではなかったけれど、あずに連れ回されているうちに

だんだん楽しくなってきて気がつくと僕らは、海の上に浮かんでいた

久々にこんなに笑った…こんなに心の底から笑ったのは何年ぶりだろう。

そんなお事を考えているとあずが

 「沖縄まで来て何考え事してんだよ!目一杯楽しもうぜ!!」

 『うん!そうだね!体がたこ焼きぐらい黒くなるまで遊びつくそう!!!!』

僕らは青春ドラマの一枠の様に夕日に照らされてキラキラ輝く砂浜を駆け合った。

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