広大な宇宙にある資源衛星を巨大な宇宙船で輸送する……というのならば何処にでもあるSFの設定。しかし、この小説では野球の如く資源衛星を投げて機械のバッターで打つのが基本という超ド級の規格外のSF設定が心を擽ります!これが暴走したらと考えると修理班と、そこまで向かう宇宙船の船旅とかで十話ぐらいのストーリーが書けるかもしれません。IFとかあったら読んでみたい作品でございます。
やられた!の一言。宇宙を舞台に突拍子もないアイデアを設定の綿密さがコーティングした結果、馬鹿馬鹿しい話にリアリティと哲学を与えた!素晴らしい!
発想は奇想天外なのにそれを肉づけする重厚な設定によってしっかりとしたSF短編にまとまっています。ベンチからの通信が個人的にツボです。