ゲゴード






ゲゴードは

ナツダックの月基地より巨大な宇宙植物であった


「宇宙植物を捕獲した経験は

どんだけでもあるだがよ、こんだけ巨大なのは聞いた

こともないだがよ」


さすがのベテラン戦士ドンララもゲゴードの巨大さに驚いている


アギジャ博士は


「ゲゴードは宇宙植物辞典にも載っていませんから、ドンララさんが知らないのも無理はないです、ゲゴードは外宇宙から

来たと思われます」


外宇宙という言葉に、ランチラックがピクリと反応したのを観察していた夏田古文時は


「ラッくんの不思議な能力は

もしかして、外宇宙由来の能力

じゃありませんか?」


「そのとおりだよなっちゃん、おいらはユタージンであるだけじゃなくて

外宇宙のある存在との……」


シャッダ装甲車が握り潰された


その瞬間、カナブンはチューニングフーセンで全員を包んだ


その瞬間、アギジャ博士のユタージンアイテムのソロバンが距離を引き算した……


しかし、距離は引き算されなかった


ランチラックはシャッダの防御本能を最大限に発揮させた


黒いビジネス鞄から夏田古文時はとっさに株を取り出した


ドンララはスコップでシャッダ装甲車に穴を掘った


その僅か前にカナブンはチューニングフーセンでドンララのスコップを包んでチューニングした


一瞬のうちにそれらが起こった


ゲゴードの手に握られたシャッダ装甲車は粉々に碎け散った


物質的な圧力以外の力が装甲車を粉々にした


外宇宙の植物であるゲゴードには人類の計り知れない能力が備わっていたのだ


ゲゴードの八本ある腕の一つは、ユーターシャひとりが乗る装甲車に伸びる


装甲車を包んでいた宇宙植物シャッダが装甲車を解いて

ゲゴードの腕に巻き付いた


その間にユーターシャは装甲車を全速でバックさせる

急ブレーキを踏むとともにハンドルを回す


後方に一回転して着地したときには装甲車は逆向きになっていた


ゲゴードは腕に巻き付いたシャッダを別の手で引きちぎりながら

別の腕を伸ばしてユーターシャの装甲車を追う







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ユタージン ヌーバス @nuubasu

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