15-2.先生は……馬鹿者です。
拝啓、先生。
お手紙ありがとうございます。
私はベランダに置いてある多幸の木と呼ばれるガジュマルちゃんに水を上げていたところです。一旦、枯れたと思った彼は、夏の日差しを浴びて信じられない勢いで緑の葉をつけています。そう確かに、一度は枯れていたのに。
***
お前勘違いしてないか?何のために書いてる?
有名になりたいのか?それとも、金が欲しいのか?名誉が欲しいのか?
誰かを笑わせたり楽しませたいんじゃなかったのか?
世界が平和になるように願ったんじゃないのか?
お前の想いを届けたいと思ってるなら、筆を絵筆に変えてもいい。
ただ、言葉を書け。筆を置かなかったことだけは褒めてやる。
目的と手段をごっちゃにするな。馬鹿マシマロ。
馬鹿は臆さず前に進め。何も考えるな。無い頭を使っても、不毛になるだけだぞ。
馬鹿者ほど強い者はいない。だって、馬鹿だから。
きっと誰かがお前をいつか見つけくれるさ。
***
目から塩水を出し、鼻からも粘着性の塩水がでるような内容をありがとうございます。これで塩マシマロになって、人気者になれるはずです。
初心忘れるべからず。そうでした。
何を高望みしていたのでしょう。こんなに低い場所にいるのに。
どこを見ているのか。読んでくれている人がいるのに阿呆な私は忘れていました。
馬鹿者です。
諦めることを諦めることにします。
生を謳歌していきます。
P.S
先生の言葉に支えられました。非常に悔しいですが、お礼を申し上げます。
有難きお言葉ありがとうごじぇいます!
平成28年 盛夏
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