15.先生……。

 拝啓、先生。

 今となっては時すでに遅しなのか、私は布団をかぶりお寿司になり、物言わぬマシマロと化しております。ここカクヨム壮は、まるで、大学の新歓コンパに乗り遅れお誘いが何もなくなったような、私の作品という宣伝紙せんでんしが風になびいて飛んでいくような、週末のキャンパスを思わせる状況となっております。


 高校でミス・ミスターに選ばれた綺麗な出版物だけがあちらこちらから、引く手あまたの状況で私の様なマシマロを味わおうとするものは少なく、私はこうべを垂れ口をつぐんでおります。実りで垂れたいものでしたが、実らず腐って枯れ落ちたような形であります。悲観的になっているのやもしれません。


 先生は言いました。

 情熱というものがなければ、作品は作れないと。

 悶々もんもんとその言葉が頭を打ちひしぎます。枕に顔を強く伏せ、奇声を発し、ご近所迷惑にならない様、騒音除去の為、規制しております。


 ただ、不思議なことにそのような状況でもなぜか筆をとってしまう。

 意気消沈し、情熱が暗い海の底に沈んでいるのに。いつか、深海にも月の光が届き、私を照らしてくれるのではないかと、淡い期待をし、いずれ泡と消えるのかもしれません。それでも筆をとり、書き続けるのは私が物書きだからかもしれません。自分の想いを言葉にしたく、止まらない。いつの日か進化を遂げ、月の光が届かない深海でも自分を照らせる提灯アンコウになれるかもしれない。私は止まることはないでしょう。歩みを止めれば何も生まれず、文字を書かなければ作品にはならないと知っていますから。


 ある者はコメントという窓を閉じておりました。確かに石を投げ入れたような輩もいた気がします。一石を投じようとしたのでしょう。暴力的なやり方はガンジーと先生を敬愛する私は好みません。ただ、窓口である者が何も言わなくなって、何も企画し無くなってしまう。皆、お互いの想いをぶつけることすらできず、疑心暗鬼になり、鍵をきつく締め、心の声を閉じ込めます。


 一日一部屋尋ねると言ったものは動きを止め、静観しております。

 窓口までの距離が非常に遠く、見えなくなりそうです。私は心の中の鬼を倒すべく、文字の銃弾を撃ちまくり、傷つきながらも前へ進んでいきます。この状況を打開するには衛生兵が必要かもしれません。何か癒し的なものが。マシマロシロスケは、ここにいるのですが、お呼ばれしておりません。


 己が無力さを知りて進めることがあるのでしょうか?

 先生……。


 P.S

 今日は何もありません。そういう日です。


 平成28年 盛夏



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