時代背景

※更新に合わせて随時追加予定



【大規模国家間紛争】

 2043年初頭から47年半ばにかけて中央アジア・東ヨーロッパ・北アメリカ・東南アジアを中心に起きた武力衝突。43年の国際画術法改定に際し、制裁を付与する大幅な画術規制法案の採択が協議された。これを巡り賛成する科学至上主義の反画術派の国々と、反対する伝統的な画術普及を至上命題とした新古典画術派および改派の国々の対立構造が明確に形成。当初は経済制裁やデモなどの抗議活動に留まっていたが、画術派・改派双方の過激派による敵対勢力へのテロ行為が起きたことを起因に、各地でくすぶっていた勢力同士の衝突が激化。局地的に大規模な紛争が勃発した。この時点では、アメリカを中心とした反画術派の勢いが強く、新古典画術派の勢力を抑え込みつつあった。

 しかし、45年始めに定量化理論がフローリによって公表されると事態は一変する。世界各国で超国家組織として勢力を拡大しつつあったUCIC(独立企業統合群体)が、定量化理論で考案されていたIC・ISD技術に目を付けていち早く実用化。技術の確立を図った。翌46年末にはUCICの中核をなす5企業が合同で極秘裏に開発を進めていた戦闘用HUHFIC(人型高機能IC)をロールアウトすると、賛成勢力に対して宣戦布告。経済政策を中心に反画術派寄りの姿勢を取っていたスタンスを一転させた。

 HUHFICの投入によって戦局は反転、反対勢力が圧倒的優位に立ち、47年半ばにアメリカの妥協案提出を持って事実上の終結を見た。


【現代(紛争後)】

 大規模国家間紛争の結果、世界各国は画術イデオロギーを中心に再編されつつあった。世界的な地位が向上したヨーロッパを中心とする新古典画術派の国々は、IC・ISDによる画術を「邪道」だとしてUCICの活動を危険視。改派による”AI”(=インプラントISD適用者)迫害が行われるようになる。UCICはIC/ISDの開発・普及事業に注力、支配的なシェアを持って世界経済を掌握しつつあったが、新古典画術派の政策的妨害に対しては常に強気の姿勢を崩さず、双方の対立が深まっていった。一方敗戦を見たアメリカ・カナダを中核とした北米協商連合率いる反画術派は、より画術勢力への反発を強めていく過程でUCICとのパイプライン構築に傾き始めている。

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