富士山最後の噴火「宝永大噴火」によって地上に妖があふれ出し、日ノ本の国は未曾有の恐怖に陥った。
やがて妖は殲滅されるものの、その影響は色濃く残される――。
そんな時代に生きる少年影狼と、彼を取り巻く人々の生き様の物語です。
主人公影狼は、不幸にして妖に「侵蝕」されてしまった人たちのために戦おうとします。けれど、まだ子供である彼は、何が「正しい」のか迷い続けます。それでも懸命に前に進もうとする彼を、思わず応援せずにいられません。
とても独特な世界観で、現在公開済みの第三章まででは「妖」そのものは登場しません。妖が活躍、あるいは暗躍する物語ではないのです。そこがまた、興味深いのです。
妖の力を利用しようとする者たちを相手に、影狼がどう行動するか、というヒューマンドラマであり、妖という未知で魅力的な存在に由来する、異能の力を駆使したバトルストーリー……。
――そんなダークファンタジーです。
影狼の選択が、この先の物語をどう変えていくのか、とても楽しみです。