ありきたりなファンタジー

弄月

第1話

タイトル:


目の前が真紅に染まった。

「に、兄さん、、?」

「ははっ、これは少し、やらかした、な」

目の前で自分を庇うようにして兄が立っている。その腹部には大きな穴が空き、血がとめどなく溢れている。

「ごめんなさい、兄さん、ごめんなさい、」

途方もない後悔とともに、目から涙が流れ落ちる。

「おい、泣くなよ。」

「だって、僕のせいで、兄さんが、、、」

「泣くなって」

血まみれの手で頭を撫でられる。

「お前が無傷で済んだ。それだけで十分だよ。」

瀕死の状態で呟く兄の体が光に包まれていく。

「もう無理かな、、、」

「そんな!兄さん!」

兄の体が端から崩れ落ちていく。

「これからはお前1人で生きていくんだ。」

「待って!いかないで兄さん!」

もう既に下半身は形をなしてない状態で、胸までボロボロになっていた。

「大丈夫、お前は俺の弟だぜ?もっと自信を持て。っと、もうお別れだな。どんな事があっても生きるんだ。約束だぜ?」

途端に頭が崩れた途端に兄の体がから溢れていた光が消えていく。

「ごめんなさい、ごめんなさい、、、」

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ありきたりなファンタジー 弄月 @palloncino

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