アメリカ空軍より奪取された四機の無人機――ストライク・ペガサス。
それと同時に東シナ海尖閣諸島沖に突如として現れた、レーダーの死角海域――チャイナ・サークル。
バミューダトライアングルのように、海域内に突入した戦闘機が消息をたつそれ。
未知の兵器か、あるいは戦争を求める者たちによる狂言か。
原因不明の現象を前にして、日本と中国の間にかつてないほど緊張が走っていた。
そんな国際情勢をよそに、とあるオンラインゲームがネット界隈を賑わせている。
「ソニック・ストライカー」
それは最新のフライトシュミレーションゲーム。
現役パイロットが舌を巻く操作の再現度を持つそのゲームは、その現役パイロットや重度のゲーマー、あるいは軍事オタクの間に浸透していっていた。
この物語の主人公――航空学生を目指す少女と、テストパイロットを引退した予備役兵の男は、「ソニック・ストライカー」の中で偶然の出会いを果たす。
ゲームを通して心を通わせていく二人。
しかし、そんな二人を巻き込んで、未曾有の危機がすぐそこまで迫っているのだった――。
そして世界は冷ややかな茜色へと染まっていく。
無人機が空気を切り裂く音とパイロット達の断末魔を響かせて。
なんて、頑張って書いてみましたが。
うん、私には荷が重かった。
中途半端なレビューで申し訳ございません。
しかし、本作品はこういう思わせぶりな文章がまさしくよく似合う、すばらしく重厚なサスペンス作品になります。(SFでもあるのかな)
それこそ、もっとちゃんとした人が――知識や語彙のある――が書くべきなのだ。書くに値する作品なのだ。
なぜ本作品がここまで埋もれているのか、不思議でなりません。
詳しい内容はもう読んでくれと言うしかないのですが、上述の謎を追って、自衛隊または米軍、そして女子高生の日常と視点が切り替わり、様々な人間が織り成す群像劇となっております。
はたして無人機奪取の目的は。
チャイナ・サークルの謎とは。
ソニック・ストライカーはただのオンラインゲームなのか。
そして、世界に迫る未曾有の危機とは。
これらが気になった方は是非とも本作品を読むべきです。
また、綿密な空戦描写に、軍事知識や現実世界への皮肉をちりばめており読み応えは抜群。
ラストバトルの決着は見事としか言いようがありません。
上質な軍事サスペンス小説を求めてる皆さん!! ここにありますよ!!
オススメです。