12
テストが終わった翌日の土曜日。学校が始まって以来初めての休み。
「休みの日にまで、その格好か?」
「だって、コレしかないんだもの」
私が着ていたのは、巫女装束。前にも言ったけど、学校の制服以外はこれしかないんです!
「……芦田さんたちにでも見繕ってもらえよ。取り敢えず、今日はこれ着とけ」
といって出してもらったのは、学校の制服。
「今の格好のままじゃ、なにかの撮影か、本なんかのプロモーションか、と勘違いされるぞ。こっちのほうがマシだ」
「は~い」
そりゃまぁ、ねぇ。巫女服、というと特殊な趣向もあるし。でも、制服もあまり変わらない気がするが。
「着替えるから、……健は見たくないんでしょ」
健は部屋の隅にある収納の扉を開いて視線を断ち切った上で、その向こうであちらのほうを向いていた。
それを確認してから、私は制服に手を触れる。……着替えました。
「もう、いいよ」
扉の陰から健がひょっこり顔を出す。私を見るなり、
「制服、もう一着買うか? 毎日着る前提で」
「それはない」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます