故 羊太郎 著「魚」
「まるで魚みたいだ。」
僕は一人そう思っていた。
ふらふらと一生懸命に泳いでも泳いでも
周りはすべて水だから僕は一生此処から出られない
僕等は水が無いとすぐに死んでしまうから水という人間の集団の中に身を沈める
ぶくぶくと何処までも
ひらひらと何時までも
僕がもし淡水魚だとしたらあの広い海には出る事が出来ない
僕がもし海水魚だとしたらあの美しい小川には行く事が出来ない
けれども
僕は人間だから、あの自由な水の中に居る事は出来ない。
まるで 魚みたいだ
そう思う僕は魚にはなれない。
<魚>
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■引用詳細
故 羊太郎の理科のノートより抜粋。
二〇〇五年八月七日 - 筆記。
■故 羊太郎 (ゆえ しょうたろう)
菅浦高等学校に通う2年B組、出席番号42番男子学生。
得意科目は現代文、化学。苦手科目は英語。静岡に住んでいたが小学校高学年の際に関東へと移住、船橋近辺に住み東京メトロで通学をしていた。
家族構成は父、母、妹。
愛読書は御嶋 宗嗣著『可不可-カフカ』音楽は"YELLOW DOG." 映画ではアルフ・パブロフ監督の近未来SF『Hello world.』
小学生の頃に宮野 ちなつの近未来SF『プレイダイバー』を読み文章を執筆する事を覚える。高校時には長編作品『カニバライズレコード』を完成。未だ未発表。
本作品は著者の高校の生物のノートの端っこより抜粋。この時の授業内容は「メンデルの法則」
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