イベントとオールドオタク3・コスプレ①

 前の更新から、うっかり1ヶ月以上が経ってしまった。

 その間にエリートオタクの娘は、ついに私のpixivを乗っ取るようにあんスタを調べまくるようになり『桃李ちゃんマジ天使!』とか叫ぶように進化してしまった。おかげで私は愛する文ストの織田作を見るために、延々とあんスタの中を彷徨わなければならない羽目になった。

 コミケットカタログから私のpixivを見に来た人は『わぁ、さかもとさん、すっごくあんスタ好きなんですね~!』とか思うだろうが、断じて私では無い!

 コミケットまであと1週間を切った今、心からそう叫ばせていただく!


 またオープニングトークで脱線しまくってしまった。

 話を戻そう。

 

  私のコスプレ遍歴をざっと上げると、こんな感じである。

 銀河英雄伝説のユリアン(92)→アルスラーン戦記エラム(93~)→銀河英雄伝説ビッテンフェルト(93~)→レイアースのフェリオ(94)→ガンダムのミライ・ヤシマ(94)→ガンダムポケットの中の戦争のバーニー(94)→銀河英雄伝説ヴェストパーレ男爵夫人(94)→ガンダムWのトロワ(95)→エヴァンゲリオンの碇シンジ(95~)→創竜伝の竜堂終(95)→美女と野獣の野獣(95)→サクラ大戦のカンナ(97)


 とまあ、こんな所だろう。

 思い返せば結構色々やっているなぁ~。


 中でも長くやっていたキャラクターは二人で、ビッテンフェルトと碇シンジは私のメインキャラクターだった。今でも当時のコス仲間で今の飲み仲間には『びっちゃん』と呼ばれている。

 ちなみにコスプレ自体の時間は短いのに、今もイベント開催仲間に呼ばれる呼び名は『エラム』である。当時、本名では無く、その人に一番合ったキャラクターネームを正式な呼び名にすることに決まっていたからだ。

 アルスラーン戦記がリバイバルされ、コスプレイヤーが増えたのかもしれないが、コミケットで『エラム』の名前を聞くと未だに振り返ってしまうのはご愛敬だ。

 

 それはさておき、90年代のコスプレ。

 それはまだ『人に見られることよりも、自分が好きなことをしてるのさ』という時代であった。


 ちなみに私の愛する銀河英雄伝説だが、当時はベレー投げができた!

 それに憧れて、私のコスプレイヤー生活が始まったのだといっても過言では無い。

 沢山の銀英伝同盟軍コスプレイヤーが集まり、集合を掛ける中心の人たちが居て、写真に何十人もの大集団で映ったり、最後の集合の後ベレー投げをしてコミケットを締めていたものだった。

 ちなみにベレー投げは94年には迷惑行為扱いとなり禁止されてしまった。

 寂しい話だ。

 まあ、露出といい、長物といい、今よりも色々規則が厳しかったしね。

 ちなみに今、私を養ってくれている旦那は、この銀英伝の中心人物だった内の一人である。

 ありがたや。

 でもって私は田中芳樹コスプレイヤーのイベントを開催するスタッフをしていた。その話は長くなるから次の機会に持ち越そう。

 だがその絡みで、あちらこちらのイベントに出向き、あちらこちらでビッテンフェルトを着ている。

 その筋では知られていたらしくて、当時知らない人に『あなたの写真、部屋にあります』といわれてびびったことがある。

 ちなみに旦那は更に有名で、礼服のキャゼルヌといえば分かる人は分かる。当時銀英伝を連載していた雑誌のイベントレポートにも旦那が載っていた。


 うん。娘が自分を『エリートオタク』と呼ぶのは仕方ないね。

 友人にはサラブレッドだと言われたよ。


 そんな中で一大ブームを巻き起こしたのがコスプレダンパである。

 ダンパよ? ダンスパーティの略よ?

 しかも場所は高島平が一番有名だったのだ。

 かかる曲はもちろん全てがアニソンだ。

 で、ダンパ会場ごとに色々決まった曲の振り付けがあったりして。

 Vガンダムとかは台詞もあった。

 ガンダムWの振り付けは格好良かった。

 覚えて踊るのが結構楽しかったりした。

 私も幾度か参加させて貰っている。

 同人誌のコスプレOKイベントが終わったらダンパ会場に、なんてイベントもあった。

 オンリーダンパもあった。

 銀英伝もあったが、残念ながら参加できなかった。

 ガンダムオンリーには何度か参加している(だからガンダムのコスが多かったりする)


 そういえば晴海ターミナルでコスダンパもあった!

 船に乗る以外で晴海ターミナルビルに入ったのは初めてだった。

 確かエヴァンゲリオンがいまいち人気が無い頃で(まだテレビシリーズが十話も放送されてない頃)、エヴァのコスプレイヤーがものすごく少なくて、そのコスプレイヤーが何人か集まって『打ち切りとか成ったら嫌ですねぇ』とか『もっとエヴァンゲリオン、メジャーになったらいいのにねぇ』と話した記憶がある。

 まさかあんなにメジャーなアニメになるとはびっくりだ。

 当時の自分に教えてあげたい。


 まあ、エヴァがヒットした後、テレビアニメ当初からコスプレをやっている面々と、97年の映画公開から異常に増えたエヴァのレイヤーとの間で少々もめ事が起きたりして、そこに巻き込まれそうになったりもした苦い経験もある。

 それからはアスカをやっていた友人と二人、どこの集団にもかかわらずひっそりと98年までエヴァを続けていったのだ。


 そうだ、エヴァンゲリオンのコスプレブームから、集団コスプレ時代が始まったといっていいだろう。

 グループでキャラクターを決めてコスプレをする人たちが現れ始めたのである。


 たぶんそれがいまのコスプレ業界の競うという感じに繋がっているのだと思う。だってコスプレ集団とコスプレ集団がすれ違っていがみ合っちゃったんだよ?

 少し前まで同じキャラクター同士だと、服の話なんかできてたのに、全くそれができなくなってしまったわけで。

 居心地悪いよ、やっぱり。

 

 とにかく当時(エヴァンゲリオン映画版登場以前)は、コスプレは見せるものではなく、自分が楽しむことが主流だったのだ。

 コスプレ写真集なんてものもほとんど無かったし、プロのコスプレイヤーはいなかった。もちろんコスプレのマニュアル本も無かったから、最近のコスプレイヤーの皆さんのように、同じようなメイクをしている人も皆無だった。

 記憶力の残念な私は、同じメイクをされると、もう人の区別が付かない。

 友達がメイクをしているだけでみつけられなくて怒られる始末だ。

 だから私にとって今のコスプレ会場は、服でしか見分けが付かなくて正直、怖いところでもある。

 

 私はあのゆるい時代だからこそ、コスプレイヤーとして楽しんでこれたし、とあるジャンルにおいては結構有名どころに成ったのだろう。

 もし今コスプレイヤーを続けていたら『ノーメイクのブスなおばさんが、だっさいコスプレ衣装着てるんですけど』という感じにいわれるのだろうと思う。


 服で思い出した。

 そういえば当時はコスパ1号店が渋谷にできたばかりだった。当時その店で知り合いが働いていたのでちょこちょこ遊びに行ったものだが、最初コスパの存在を聞いたとき驚いた。

 コスプレ衣装を買う奴が居るの!? とだ。

 今はほぼみんな購入しているようなのだが、あの時代にコスプレ衣装を買うなんて発想、全くなかった。

 みんながみんなまちまちに好きなように作っていたからだ。

 布が上手く縫えない!→両面テープで付けちゃえばいいじゃん!

 目立ちたいけど、どうする?→サテンで作っちゃえばいいじゃん!

 こんな具合だ。

 衣裳を作るために、オカダヤ、きんか堂、ユザワヤを周り、あちらこちらで材料を買い集めた。時には布選びで数時間かかったりして、朝友達と待ち合わせて、帰るのは夜とかざらであった。

 それにみんなが揃うことがあまりないから、いつも衣裳は本番ギリギリ。コミケット前日は死にそうになりながらミシンを動かしている状態だった。

 ちなみにサテンとシーチングを合わせると、とっても縫いにくい。

 

 だから着ている人がどれだけ綺麗かよりも、どれだけその衣裳がすごいかで感動したし、同じジャンルの同じキャラの人たちとも、服の作り方で語り合ったりできた。

 いい時代だったと思う。


 今現在、私のコスプレ仲間のほとんどがコスプレを離れた。まあ、40超えちゃったしというのが理由であったりもするが、それ以上に『何だかとっても居心地が悪い』のだそうだ。


 確かにチキンな私には、もうコスプレは無理だ。

 せいぜい織田作が着ているのと似た普通のシャツをみつけて着て、普通にハーフサイズのトレンチを着よう。もちろん拳銃持たずに代わりに寒いからセーター着て、普段着で。


 この年だと、それで十分な気がする。

 普段着をちょっとコスっぽく楽しむ、隠れコスプレ。


 娘には『コスプレをしてみたい! 作って!』

 といわれたが、無茶だ。

 それこそ『小遣い貯めて自分で買え。もしくは作れ』である。

 コスプレ仲間曰く『自分の稼ぎが無いでコスプレ衣装を親に作って貰うなら、親の好きなコスプレを我慢してやるしかない。本当に自分のコスプレがしたいなら、稼いでから言え』だそうだ。

 その友人はもうコスプレを卒業しているが、昔は結構金を掛けてきた人で、90年代のコスプレ業界では結構な有名人である(銀英伝とかサクラ大戦とか)

 それゆえに一言が金言である(?)

 そんな有名人だった彼も、今はのんびりうちのサークルの売り子を手伝ってくれる。

 コスプレの付き合いでも、付き合う内に苦しくなる関係と、のんびりできる関係が存在していて、今私が付き合っている友人はみんな、銀英伝関係の友人達である。

 コスプレをしていてよかったなと思うのは、九十年代前半に何も知らずに飛び込んできた初心者を優しく見守ってくれた年上の彼らと、二十年以上の付き合いが続いていることである。

 みんなにはいえないがこの場で白状する。


 私の友達は、銀英伝のみんなだけだよ。

 本当に大好きだから、じいさん、ばあさんになっても遊んでね。



次はコスプレイベントのことを書く予定。

色々当時のどろどろとか葛藤を書くので重いぞ(^o^)

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齢40、主婦ニート。 さかもと希夢 @nonkiya-honpo

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