43 蓄積
オーイ教授は
しかしながら、教授の思考エネルギーを蓄積したギョンが示すスペックは、コムロが乗るカントムのそれをも凌駕していた。
3機の
しかし、それを受ける1機の
滲み出す、スペック差。
そして――
その、たった1機の
弾速が速いだけではない。その終端で、軌道を変えて爆発する。
<アカデメイアで研究を続ける苦労が分かるか。随一の頭脳を持ちながら、運営資金も減らされ、こんな所まで来なければならない。論文は、先に発表したもの勝ちだというのに。私は、研究がしたいんだ!>
その
かわすので精一杯。
「
カントムが、青く光るア・プリオリ・ブレードで、ギョンの
ロックウェルの右腕から、白い探求針による援護射撃が飛ぶが、ギョンの丸盾にあっさり弾かれる。
<経験主義系の機体は、火力が貧弱だな>
教授は冷笑を浴びせる。
「……さすが……教授……っ!」
プティが感嘆の声をあげる。
そこにデカルトンが、ライフルを乱射する。
プティが乗るロックウェルの一撃が効かない時点で、デカルトンの射撃ではダメージを与えられないだろうことは、シューには分かっていた。
ギョンが丸盾を構え、さらりと受け止める。
――ギョンが防御行動を取っている時間を利用して――
「プティ、いつも通りで良い。思考をニョイニウムに溜めるんだ」
「えっ? ……はい! せんぱい!」
「フロンデイアの! 俺と2人で一斉射撃。時間稼ぎ、やってもらえるか!?」
「あっ、了解! コムロです。僕は」
「よろしく頼むコムロ君! 俺はシュー・トミトクル。もう一人はプティだ」
「わかりました。よろしく!」
連携。
コムロとシューは、プティの斜め前方へと
彼らが搭乗するカントムとデカルトンは、その相互間距離を近づけたり離したりしながら、角度を変えた十字砲火を浴びせる。大きな丸盾を持つギョンを、防御行動へと可能な限り奔走させる。
ギョンは、いや、その搭乗者であるオーイ教授は、防御から攻撃へと切り替えるタイミングを、図りきれずにいた。
そしてプティが、自らの
((
))
プティの思考がエネルギーとなって、
「せんぱい! 溜まりました!」
「よし! 撃て!」
前衛で足止めを引き受けていたデカルトンとカントムは、ロックウェルの射線を確保するように、より左右へと散開しつつ、援護射撃を続けた。
「ロックウェル先生! 探究針を前方に! 全力で!」
『承知した』
ロックウェルは、蓄積されたありったけの思考エネルギーを詰め込んだ、その一撃を放った。
―続く―
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