第2話

「あ」の百科事典を 本棚に戻し私は 「あ」から「ん」まで綺麗に並べられている背表紙を優しくすーっと 撫でた。


手についた ほこりを払い 「き」の百科事典を取り出し また丸テーブルの真ん中に載せた。

ホットレモネードを一口飲み やっぱ甘酸っぱいなぁ..と思いつつ 彼女ともこんな 話をしたなと 思い出していた




彼女は 「き」の ページを読んで

その人彼女は 声をだして読んでいた。


「新聞・雑誌や放送などで、記事の取材・執筆、また編集に携わる人。テレビ・ラジオや、新聞、雑誌などで、取材・記事を編集、レポーターとして、メディアを通して自分の声で取材内容を視聴者・聴衆者に報告などを行う職業につく人物のことを指す。 ...,」


彼女は読むのをいきなりやめた


どうしたの?とわたしがきくと彼女は なんでもない といいまた読み始めた


「 キス 、接吻は、口づけ、キス 、キッス、チュウともいい、愛情表現、友愛表現のひとつ。人が自分の親愛や友愛の情や魔除けその他を示すために唇を、相手の額や頬、唇などに接触させる行為..」


やはり 年頃だったため 2人の間には少し沈黙が起こってしまった。


「 キスってさ どんな味なんだろう」


彼女がそう言うとはおもわず わたしは ひぇ? と変な声をだしてしまった


え、えーと...と返す言葉に迷っていると


「 百科事典に書いていないもの 味 は 」


そうだね なんでも知りたいんだなぁ..と感心した


彼女は ホットレモネードを今日は遠慮はせず 全部飲み干した


私もつられて一口飲んだ。 多分この話題が恥ずかしかったのだろう


そこから 1、2分沈黙が続いた 1時間くらい たったのかと思うくらい長かった


「ねぇ 、 試してみる?」


今日の彼女はどうしたのだろう と 私は熱でもあるのではないかと疑ったが いつもどうり平然な顔をしていた


「恋愛的なものではなくて 百科事典にも書いてある 友愛表現って事で 分からないことは ちゃんと知らないとモヤモヤするの」


恋愛的ではない 友情的だ と 言われ 私は うん..いいよと答えてしまった

彼女が困ってるなら...と いう気持ちもあったからだ


今日は お客は私達しか いなくシーンとしていた


「顔 こっち向けてよ できないよ」


恥ずかしさで私は下を向いていた

彼女も少し恥ずかしいみたいでいつもより

喋り方が乱暴的なだった。



顔を上げると 彼女の頬は白い肌に ほんのりとピンクがついていて とても可愛らしかった

初めてみた 彼女の照れに私は 嬉しさを感じ 彼女と目を合わせた


2人とも恥ずかしさで何も喋らずそのまま

唇を合わせた


私は "うそのお話"で イラストでよくみる 目をとじるキスしか知らなかったので 目を閉じていた



5秒ほど 唇を合わせると 彼女がすっ と 後ろを向いて顔を手で隠していた


どうしたの? ときくと なんでもない!と言われた


「 なんか 甘酸っぱい味がするね」


私は そう彼女に伝えた

彼女は うん... そうだね ありがとう キスしたのは2人の秘密ね といい

顔を下に伏せながら 手提げ袋を取って 帰っていった。







私は 唇に手を当て 彼女とのこの秘密を 思い出していた



































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ホットレモネードの甘い香りと思い出 tebsaki @Nekotaroo_0221

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