きっとありえた死と恋の音が遠ざかっていく

作者 冬野瞠

27

9人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

――

 別の方のレビューでも触れられているように、この作品に登場する人物の年齢と性別がわかるはっきりとした描写は無い。

 だが、作者さんが選んだ語彙を丁寧になぞり、情景を想像すると、うっすらと見えてくる気がする。「たおやかな手」「同じ性」、私はこの二つの語彙から初雪と木蓮は双方女性なのではないかと推測している。
 
 明示されていないから、使用されている語彙から性別とおよその年齢を想像させられる。想像力を働かせつつ読むから、作品内に引き込まれ、二人の気持ちに自分を重ねてしまう。

 2000字程度の作品に、作者さんのスキルを感じた。
 よく考えられた作品だと感心しました。

★★★ Excellent!!!

――

たとえ、言葉にしてはいけなくても、伝わっていく。

あえてこの作品だけ、作者のキャッチコピーがない。
タグも和風、とだけ。
読者にすきに受け取ってもらえれば、ってことなのだろうか。
それとも無心で、透明で、ただ読み始めてほしいかのような。

男が戦いに行く時代であったと思う。
さすれば、この時代、心で思い合うだけの仲だったであろう二人。

戦いで怪我をして帰って来た主人をかいがいしく世話する想い人。

夏の季語、凌霄花なんだ。
早く体が良くなってほしいという願いと
傷の治りは遅くてもいいという矛盾した想いが交錯しているであろう
とある夏の一こま。

★★★ Excellent!!!

――

最初、読んだときは「戦国時代の男女の話かあ」と何故か思い込んだ。ぼくの常識が「少年のような凛とした声」を読み飛ばした。二回目に読んだときに気づいた。「木蓮は男の子なのか?」すると、これはびーえる!?
でも三回目に読んで初雪様は女性なんじゃないかと疑惑をもった。女性が戦国時代の世に戦場で戦い、怪我をして、年端もいかない男の子に世話になっている。
え、ええっ!
四回目に読んだとき、もはや男とか女とかどうでも良くなった。ましてや年齢なんてどうでも良い。ひょっとしたら初雪様は人間じゃないのかもしらんが、それすら些細なことだ。これはそういった既存の、世間の、知り合いでもない誰かが勝手に決めた常識の枠の外にある純愛劇なのだ!

……なんかレビューになってなくて御免なさい。